KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

人間科学という学問領域と視点はこれからの世界にますます重要になってくるだろうと思いました。

 野嶋栄一郎先生の最終講義がありました。劇場タイプの教室にたくさんの聴衆が集まりました。講演のテーマは人間科学部の準備、設立から再編、そしてeスクールの開設と、野嶋先生が中心になって関わってこられた仕事を振り返るものでした。

お話をうかがいながら、人間科学(Human sciences)という学問領域と視点はこれからの世界にますます重要になってくるだろうと思いました。それをいち早く見出して具体的な形にすることに尽力してこられた野嶋先生のすごさを再確認しました。これからもますますお元気で活躍されることを願っています。

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修論公開審査会で質疑の最初は基礎的な知識を確認するための質問をしました。

修士論文の公開審査会がありました。今年度は主査が3件、副査が2件でした。

主査、副査にかかわりなく、質疑の最初は基礎的な知識を確認するための質問をしました。この質問は研究発表の内容と関係のないところから持ってくるのではなく、発表者のスライドの中から聞くようにしています。本人がスライドに書いているのですから、すべて答えられるはずという前提で聞いているのです。

たとえば次のような質問をしました。

・社会構成主義とはなんですか。何へのアンチテーゼとして出てきたものですか。
・幼少期の思い出を判断材料とするには信頼が置けますか。
・「10年ルール」とはなんですか。誰が提唱しましたか。
・質問紙の全ての項目で検定を行うことについてどんな問題がありますか。
・グラウンデッド・セオリー・アプローチにおける「プロパティ」と「ディメンション」とはなんですか。
・コレスポンデンス分析において軸の解釈は可能ですか。

これらの質問についてはすべて答えられるはずという前提なのですが、確率は半々くらいでした。まあまあでしょうか。

こうした基本的な質問に答えられれば、こちらは安心して研究内容の質問に入っていけます。本来はこちらが大切なのです。基本的な質問をしているおかげで、安心して内容の質疑に入っていけるということがわかりました。

修論生の皆さん、お疲れ様でした。

内容はアドラー心理学の中心概念である「共同体感覚」に真正面から取り組んだものです。

2月1日に小学館新書より『幸せな劣等感』が発売されます。アマゾンでも書影が出ました。

 

幸せな劣等感: アドラー心理学〈実践編〉 (小学館新書)

幸せな劣等感: アドラー心理学〈実践編〉 (小学館新書)

 

 

タイトルには「劣等感」と入っていますが、内容はアドラー心理学の中心概念である「共同体感覚」に真正面から取り組んだものです。たくさんの人に読んでいただきたいと思います。広くご紹介をお願いします。

 

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