KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

指導教授の退職記念パーティに出る

 上京してきたのは、指導教授の退職記念パーティに出るためだった。早稲田大学の定年は比較的遅く、70歳である。しかし、何で大学の先生というのは、こう若々しいのだろう。冨田先生は私が学生でいたころとあまり変わっていなかった。まだまだ現役でやれそうな感じだ。

 今考えると、冨田先生にとって私はおそらくあまりいいゼミ生ではなかっただろう。私は自分勝手なことばかりをしていたし、先生の手伝いもあまりしなかった。もちろん頼まれた仕事はきちんとこなしたと思う。しかし、先生の考えを先回りして手はずを整えるような気のきいたところは一切なかった。先生が紹介してくれた会社も最終的には蹴ってしまったりした。今、自分が指導学生を持つような立場になってみて、しみじみと感じるが、もし自分が学生時代の自分をゼミ生として持ったならば、小生意気で恩知らずなやつだと思うことだろう。あのころの自分はそんな学生だった。

 先生に感謝したいのは、そんなわがままな自分をやりたいがままに放っておいてくれたことだ。いじりまわしたりしなかったことだ。まあ、先生の側から見れぱ、コントロールできるような人間には見えなかったのかもしれない。それにもかかわらず、いろいろと就職などの心配をしていただいた。私は相変わらずマイペースでわがままであった。先生にはもしかすると心配ばかりかけていたのかもしれない。