KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

ウィンドウの大きさとページデザイン

 昨日、ページデザインがきわだって美しい例として、オンライン版「本とコンピュータ*」を取り上げた。その秘密のひとつはページの左側約1/3を空白にしていることだ。ここに簡単なイラストや似顔絵がはいることもあるが、基本的には空白になっており、これが文字の密度を適度に下げ、ページ全体として読みやすいものになっている。こうしたレイアウトは表組みを使えば簡単に実現できる。Webページに左右の余白をつけることで読みやすさの評定は上がることが実験的に確かめられている*ので、左1/3の空白はその応用にあたる。

 で、これをマネしようかなと思うわけだが、躊躇する。それは、この方法を取るにはブラウザの横幅を固定として考えなければならないからだ。実際に、「本とコンピュータ」のレイアウトは最小で640*480ドットの画面を想定している。これより小さいウィンドウだと文章の右端が切れ、左右スクロールをしなければ読めなくなる。

 最近では640*480よりも小さなディスプレイはほとんど見られなくなっているから、このドット数を基準にしてレイアウトデザインするのは良心的といえる。しかし、ごくたまに800*600あたりを基準にして横幅を固定にしているページもある。こういうページにあたるとウィンドウを広げなくてはならないので面倒である。私のディスプレイは17インチと15インチなので、大きなウィンドウを広げておけばいいのかもしれないが、横幅を広げすぎると文章が読みにくくなる。やはり横幅640ドットくらいのウィンドウが一番読みやすいようだ(一行あたりの文字数がどれくらいのとき一番読みやすくなるかは実験すべきトピックかもしれない)。

 印刷のメタファーからWebページ作りをする人にとっては、横幅を固定することは自然な行為かもしれない。紙に印刷するにはまず紙のサイズを決めなくてはならないからだ。B5版かA4版か、あるいは変形サイズか。そう考えると、縦幅まで固定されなくて助かったと考えるべきか。さすがに縦幅固定で、スクロールなしというページデザインは見たことがない。ただ例外的に、Webベースの訓練教材でそういうデザインを見たことはある。

 現在のところの私の結論としては、特定の目的がない限り横幅固定レイアウトはとらないでおこうということにする。ウィンドウのサイズって意外と個人のこだわりがあるものだし、そこまでこちらから束縛するのはどうかなという感じ。ページレイアウトをするためには固定にした方が断然やりやすいのだけれど。

 よく考えたら、広げたり縮めたりできるウィンドウシステムというのは面白い。もう当たり前に使っているわけだけれども、やはりこれを一番最初に考え出した人はすごいと思う。