KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

メールで対談集を作る

 4/1の日記「メールを編集して座談会記事にする」で次のようなことを書いた。

これを応用すれば、一対一のメールのやりとりで対談の原稿や、五人くらいでメールをやりとりして座談会の原稿とか書けそうじゃないですか。もう、こんなふうにして記事や本になっている例があるのかな。ありそうだなあ。

 そうしたら、上田さんという方から丁寧なメールをいただいたので、了解を得てここに引用させていただく。

ちはるの多次元尺度構成法(日記)4/1 に書かれていた「電子メールを原稿に利用した本」について何冊か知っているものがあるのでお知らせします。

岩波書店の「インターネット哲学アゴラ」
  http://www.iwanami.co.jp/agora/index.html
で、中村雄二郎さんとゲストの電子メールによる対談が公開されていますが、この対談を元に現在まで3册の本が刊行されています。上のWEBには、この対談に対する読者のメールを紹介する場所もあり、本の巻末にその一部が掲載されています。ただ、出た本を斜め読みした限りでは、普通の書簡形式の対談とあまり変わらない気がしました。

また、「本とコンピューター」の主催者=室謙二さんは、奥さんのナンシー・バーデキーさんと
  『日米生活対話 -- パソコン通信による16のテーマ』晶文社
という本を出していますが、これは著者が電子メールを使った電子会議室を運営しながら、毎回決めたテーマについて意見を集め、それに著者がまとめのコメントをつける、という構成になっています。この会議室への参加者は CompuServe のフォーラムから、日本の文化に興味を持っていそうな人を著者たちが選択して、メールで参加を請ったということです。

コンピュータ関係では、
  スコット・アダムス『ディルバートの法則』ASCII
は、連載コミックを書籍化したものですが、章末に読者からの電子メールを掲載しています。また、読者からのメールを元にコミックを書いたりすることもあるようです。

  エド・ヨードン『デスマーチトッパン
は、ソフトウェアプロジェクトの管理に関する本ですが、これは WEB で原稿を公開し、それに対する反応を元に原稿を書き換え、参考にしたメールをそのまま章末の注釈に載せています。

最後になりましたが、私も最近ホームページを始めたのですが、書評ページにちはるさんの「読んでみた」をリンクさせてもらいました。こちらのページは更新が止まっているようですが、再開されることを楽しみにしています。

 こうしてみるとずいぶん本になっている例がある。上田さん、貴重な情報ありがとうございました。もはや本を作る上でメールは欠かせないものになりつつあるが、ただ原稿やコメントのやりとりにメールを使うだけではなくて、新しい形の電子対談や電子座談が試されつつあるのだろう。

 そういえば書評のページ「読んでみた」は確かに更新が止まっている。本の感想は日記にときどき書いているのだがそれをちゃんとリンクするのを忘れていた。リクエストにお応えして、こちらも時間を見つけて整理していくようにしたい。