KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

何かを教えることができる幸せ

 授業が始まった。忙しくて、あわただしくて、ちょっと生き生きしている。

 今年のチャレンジは高岡法科大学での「心理学」授業。なんせ一回目に集まった受講生は180人。これまでに体験した最大規模の数は50人程度だから、180人がずらりと並んでいるのを見ると圧倒される。しかし、これだけの人数が集まると話す方も興奮する。私は興奮すると早口になり、なんでもかんでもしゃべってしまうという癖があるので、落ち着いてゆっくりとしゃべるように意識的に努力しなくてはならない。

 ひょっとすると「私語の嵐」を覚悟していくが、そんなこともない。マイクを使わなくても大丈夫なくらい。かえってマイクを使わずに話した方が集中して聞いてくれるかもしれない。マイクを使うと、はあはあという息づかいがはいってしまい、あがっているのがばれてしまう。だからマイクなしで、通る声でゆっくりと話した方がいいことが多い。来週からはマイクなしでいこう。

 幸いなことに初回の「超能力手品」はうまくいった。180人中タネをみやぶったのは一人だけ。みんな不思議そうな顔をしていた。図に乗って来週も別の超能力ネタをやろう。今度は見破る人はもっと増えるはず。これは本当に心理学の授業なんだろうか。

 もう一つのチャレンジは何年ぶりかに開講した「エスペラント」の授業。こちらは6人が来てくれた。これはすごくうれしい。受講生ゼロを覚悟していたから。授業の最後に思わず「来週も来てね」と念を押してしまう。

 しょせん、受講生あっての教員だ。学びたいという人がいなければ、我々の仕事はない。大学でエスペラントを教えることができる幸せをかみしめる。