「がくもんにっき」の6/20で、ジョブズとゲイツのアメリカ製ドラマのダイジェストを書いてくれた。すごく面白くて一気読み。できれば日本でも放映されるのを待ちたいところだが、このダイジェストでかなり満足してしまった。とりわけ次のような場面が印象的:
ふたたび「盗んだ」と非難するジョブズに、ゲイツは、今度は、「君らだって、もとはゼロックスから盗んだものじゃないか」と反論する。失意のジョブズが、帰ろうとするゲイツに、ふりしぼるように言う。
「…しかし、おれたちのモノの方が優れている」
それをきいたゲイツは振り向いてこう答える。
「はっ!君はわかってないね。そんなことは問題じゃないのさ!」
優れているかどうかということが問題じゃないとすれば、何が問題なんだろう。
——もちろんビジネスでの成功だよ。それが問題なんだ。
ビジネスでの成功がそんなに重要なことなんだろうか。
——そりゃそうだよ。もしアップル社がもうつぶれてしまっていたとしたら、君もこうして快適なiMacを利用することができないわけだから。
きのう(6/20)の夜に「NHKスペシャル」で、ハリウッド映画はなぜここまで巨大になったかということをやっていたんだけどね。徹底した市場調査によって、映画の結末の脚本まで書き換えてしまうこともある、ということなんだ。そういうことについて、映画監督でさえ、それでいいという。人々に観てもらえなければ意味がないのだから。観てもらわなくていいならホームムービーをトイレの壁にでも映しておけばいいのだ、と。
——そう。ビジネスでの成功が問題なのだ。
ルーカスも、巨大な資本を投下するからこそすばらしい映画が作れるのだといっていた。
——その通りだ。君だって「スターウォーズ」を楽しみにしているだろ。その映画はビジネスでの成功を前提にしなければ作れないものだったのだ。
うーん。そうなんだけどね。その一方で、ビジネスになるかならないかのぎりぎりのところでやっている人たちもたくさんいるわけだ。「収穫逓増の原理」(シェアを占めれば占めるほど利益が増大する)ということは実際あるにしても、それだけじゃないだろう。シェアのパーセンテージじゃなくて、最低限何人の消費者がいればビジネスとして成り立つのかということも重要な気がするんだよ。それが、まだマッキントッシュが生き延びている理由になると思うのだ。つまり、シェアの問題ではなくて、実数の問題がこれから重要になってくるのではないかと思っている。