KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

私語を阻止する方法

きのう(6/23)の日記で、私語をさせないようにするには、それと一緒にできないような行動、たとえばノートを取ること、をさせるようにすればいいということを書いた。それで、以前紹介したカレン・プライアの「うまくやるための強化の原理---飼いネコから配偶者まで」(二瓶社、1998)をもう一度読み直してみると、また別の方法が紹介されていた。それは、私語をするという行動をある弁別刺激とともに盛大にやらせて強化するということだ。

——どういうことだい? 私語行動を強化するわけ? 私語をなくしたいというのに?

そう。授業をしていて、なんだかざわついてきたなと感じたら、ホイッスルを吹いて、それを合図にいっせいにおしゃべりをさせる。おしゃべりタイムだね。十分おしゃべりをして飽きたところでやめる。静かになったところで授業を再開する。

——それは、単におしゃべりに疲れたから静かになっただけで、またしばらくすればざわついてくるだろう。

うん。そうしたら、またホイッスルを吹いて、おしゃべりタイムをとる。

——それで?

ポイントは、この訓練によってホイッスルが弁別刺激として学習されるということだ。「ホイッスルが鳴る→おしゃべりをする」ということ。重要なのはこれが学習されると、「ホイッスルがない→おしゃべりをしない」ということも同時に学習されるのだ。したがってホイッスルを吹かない間は誰一人としておしゃべりをしないというすばらしい環境になるわけだ。

——本当かね?

どうだろうね。本では、遠足に行く子供たちが自動車の中で大はしゃぎするのを合図とともに強化して、合図のない時には静かにさせることに成功したと書いてある。

——子供ではうまくいくかもしれないが、大学生ではどうだろうね。

来週の心理学の授業は行動分析の2回目なので、授業で実際にやってみようと思っている。デモンストレーション実験だな。うまくいけば効果的なんだが。

——それにしても、君は自分で紹介した本でもほとんど内容を覚えていないんだな。

そうだな。だからここで紹介しているのさ。自分用のメモでもあるわけだ。

——それで「読んでみた」をおもむろに再開したわけか。

新しい「読んでみた」は本の感想は最小限にしようと思う。たくさん書くと時間がかかるので。その代わり、読んだ本や雑誌をなるべく書き留めていく予定。