KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

あなたの価値を証明しようとするな

 昨日「奇跡的にこの冬は風邪をひかなかった」と書いたら、今日、あいなが熱を出して咳をし始めた。あちゃ。早くよくなりますように。

 卒業式だった。毎年、この日はタロットカードを引いて、そのメッセージをカードに書いて卒業していくゼミ生に渡すことにしている。私の使っているタロットカードは「死神」とか、そういう類のカードはないので安心してメッセージが書ける。「家に帰ってから開けるように」と言ってカードを贈る。これは一人で読むところに意味があるので。

 一人一人のカードを引いたあとに、ゼミ全体のために一枚引いた。そのカードは「Worth」だった。「あなたの価値を証明しようとしてはいけない。それは自分自身を商品におとしめることだ」という意味のカード。

 このカードの逸話が好きだ。節だらけの、幹の曲がった大きな木があった。いい木材にもならないし、薪にすればすすばかり出るので、切られずに残っていた。何の役にも立たないからこそ、切られずに残ってきた一本の木。でも切られずに残ったおかげで、木陰を作り、小鳥を宿し、人々のかっこうの休み場所となって、やすらぎの時間を与え続けている。と、そんなような話。

 価値ということの意味を考える。それはきわめて個人的なものでありながら、だからこそ普遍的なのかもしれない。