KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

大学が選抜される時代/クオーター制

 後期日程の入学手続きも無事終わった。私のいるコースでは、倍率が一気に下がって、ひょっとしたら定員割れで二次募集をかけなくてはならないか、というところまできていた。なんとか定員を満たすことができてほっとしている。しかし、本当に全入時代はすぐそこまで来ているのだなあということを実感した。

 こういう状況では、もはや入学試験にコストをかけるのではなくて、入学してからの教育に力を集中すべきだと思う。少し前に、入学試験問題を予備校に外注するということがニュースになったが、自然な流れだろう。一番いいのは、高校の先生に試験問題を作ってもらうことだ。実際に現場で教えている人に問題を作ってもらうのが一番いいに決まっている。

 試験問題が漏れるのではないかと心配する向きもあるけれども、たくさんの良問を作って、データベース化して、そこからランダムに出題すれば大丈夫だ。運転免許の筆記試験でもすでにそうなっているのではないか。センター試験も二回行われるようになるということだ。

 もはや、大学が学生を「選抜」するのではなく、学生が大学を「選択」するのだということを直視しなくてはならない。その時点で、入学試験は意味合いがまったく違ってくる。学生に大学を選択してもらうためには、入学試験は信頼ある外部団体に任せてしまい、そのエネルギーを本来の教育サービスに力を注ぐことが良い方法なのではないだろうか。

 長谷川さんのWeb日記でクオーター制について読んだ。大学の一年を4分割して授業をするというシステムだ。具体的には、ひとつの授業を週に2コマやって、7.5週で終わるということになる。このシステムの利点は、授業の高密度化により効率的になる、予習復習が行われやすくなる、教員の研究の時間がとりやすくなる、という3点にあるとのことだ。

 教員の方から見ると、授業の準備が大変になりそうだ。しかし、これは前もって準備を十分しておけばいいだけの話だ。学生の方からはどうだろうか。実際にこのシステムで授業を受けてみなくてはわからないかもしれない。

 研究の時間が取りやすくなるという意味では大きな利点がある。授業がある期間中は落ち着いて実験することができない。それで、休み期間中に実験をしようということになるのだが、その期間は被験者が集めにくいということがある。もしクオーター制によって7.5週で授業が終われば、残りの期間中に研究に集中することができそうだ。

 ゼミは週2回では、うまくいかないかもしれない。しかし、それ以外の授業ではクオーター制の方がうまくいくかもしれない。どれか科目を選んで試行してみたい気がしている。