KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

なぜ結婚式のスピーチは女の方がうまいか

 親戚の結婚式に出席するために、千葉県の銚子まで行って来た。披露宴は180人が集まる大規模なもので、3時間半の長丁場。お色直しも、5回。いずれもこれまでで最大の披露宴だった。

 親戚が大勢集まった披露宴というのは、自分のルーツを見るようだ。とにかくそこら辺に座っている人や、挨拶に立つ人はみんな「向後なにがし」なのだ。このときばかりは、全国的にマイナーな名字の「向後」がメジャーになったような錯覚におちいる。そして、みんな、どこかしら似ている人が集まっている。遺伝子のいくらかを共有しているのだから、似ているのは当然かもしれないが、不思議な気分になってくる。

 長い披露宴だったので、いろいろな人がスピーチをした。スピーチを聴きながら、「こういうときのスピーチは女の人の方がうまくておもしろいな」と思う。

 というのは女の人の話は、エピソードが具体的なのだ。クラブ活動の時のエピソード、修学旅行に行ったときのエピソード、会社でのエピソードを具体的に語る。よくまあこんな細かいことまで覚えているものだと感心する(同時に、だから女性はちょっと怖いとも思う)。しかしエピソードというのは細かいところまで具体的であればあるほど説得力が増すものだ。だから女の披露宴スピーチには迫力がある。

 それに対して、男の披露宴スピーチはだめだ。エピソードを語らずに、すぐに一般論、人生論にもっていってしまうから。普通の人が説く人生論はちょっと退屈だ。