KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

育児方針の違いによる夫婦関係の悪化

 子供の育児方針の相違で夫婦喧嘩をしたり、果ては離婚にまで至るケースがあるらしい。

 子供を持つまではこう思っていた。「育児方針の違いでケンカすることなんてあるのかいな? だいたい育児方針にそんな違いがあるものか。正しいことは正しいし、間違っていることは間違っている。大きな違いなんてないんじゃないか」とね。

 ところが今「育児方針の違いというものは厳然としてあるものだ」ということを痛感している。とりわけ、それは食事の仕方というものに強く現れる。

 ひとつ目。以前にも書いたが、私はイチゴを食べるときには砂糖をまぶし、ミルクを注ぐ。そしてイチゴをスプーンでつぶして食べるのだ。これが一番おいしい食べ方だと信じている。したがって娘にもその方法を教えた。しかし、これが妻には気に入らない。彼女はイチゴをまるごとそのまま食べる主義である。

 妻によるとイチゴをつぶして食べるのは下品だという。外の家に行ったときに、イチゴを出されたとき娘がミルクを要求するので恥ずかしいと言う。私はこう言う。「何が恥ずかしいものか。ミルクをかけてつぶして食べるのは上流階級の食べ方であるぞ」。しかし、妻は納得しない。

 ふたつ目。牛乳を電子レンジで温めて飲むことが多い。そのとき表面に必ずマクができる。これはうまいものではないし、でろ〜んとして気持ち悪いので、温めた牛乳を飲む前にスプーンですくい取って外に出す。それを見ていた娘は当然それをまねする。いいことだ。しかし、妻は不服である。「マクを取り出すのは下品である。マクには栄養があるので一緒に飲むのが正しい飲み方である」という。そんなことあるものか。マクを取り出すのは上流階級の作法である、と私は信じている。

 最後にみっつ目。肉じゃががおかずとして出ることがある。私は当然、肉じゃがを汁ごとご飯にかける。肉じゃが丼である。そうすると娘もまねをしたがる。しかし、妻は許さない。攻撃はさらに私に向けられ、ねこまんまのようなそういう下品な食べ方はやめよと圧力をかける。

 肉じゃがをご飯にぶっかける食べ方は上流階級のものであるとは、さすがに私も言わない。しかし、これがまたウマいのである。やめられない。娘に隠れてでもこうして食いたい。

 このようにして、育児方針の違いによる夫婦関係の悪化が起こるのである。