KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

「ゼロからやり直せ」という啓示

 4月も終わり。授業を軌道に乗せてほっとしているときに、ノートパソコンを死なせてしまったりして、なんだかあわただしいひと月だった。まあ、このアクシデントは何かの啓示かもしれないな、なんて考えている。何の啓示かはよくわからないんだけれど、たとえば「ゼロからやり直せ」ということかもしれない。あるいは「一度失ったものを再び手に入れるのは難しい(だから大切にしよう)」ということかもしれない。今、その意味を一生懸命考えているところ。

 作家が初めて出版した自分の本が書店に並ぶのを見るのは、感慨深いものがあるそうだ。そのときの気持ちをつづった文章を集めた本を見かけたことがある。作家によっては、妙に恥ずかしく感じたり、あるいは自分の本を目立つところに置き直したり、自分の本を手に取ってくれる人を隠れて観察したりと、人によっていろいろな行動をとるようだ。

 私を含めて3人で書いた『自己表現力の教室』という本も書店に並べられている。魚津のある書店で平積みにされていたのを、まず妻が見つけた。平積みにされていると、いかにも売れそうな感じがする。黄色い表紙もよく目立つ。意外にも感慨というのはあまりなかった。ああ、こんなふうに本というのは売られるのだなあ、と。でも、こうして書店に並んでいるのを見ると、がんばって原稿を書いたことが報われるような気がした。結果が努力を充足したものにする。

 できれば、たくさんの人に読まれるといいなあ、と思う。長く売れ続けてくれるとうれしい。はやりすたりのない領域なので。