KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

高校への出張説明会

 高校への出張大学説明会をしてきた。氷見高校の3年生が40人以上、それから教員が7-8人参加してくれた。教育学部から、私を含めて3人の教員が、学部の紹介や入試の説明などをした。

 これまでにも、高校生を大学に迎えての説明会は実施してきた。しかし、こちらから高校に出張して説明会を開くというのは初めてのことだ。教育学部への受験者数が減っているというデータに危機感を抱いての対応策である。

 受験者数が減っているのは、おもに県外からの受験者数が減っているためであって、県内の受験者数はそれほど落ちていない。このことを根拠にして、私は、県内の高校への出張説明会は不要なのではないかと主張した。むしろやるべきは県外へのPRである、と。

 しかし、結局、出張説明会をやることになったのである。ときどき、多くの大学教員は「データの分析」ということを知らないのではないかという思いにとらわれる。多くの会議の結論は、データの分析から導かれるのではなく、声の大きい人の発言に左右されるようだ。

 とはいえ、一度やると決まったものには協力する。そして実際、今回の出張説明会はやってよかったと思わせるものだった。

 それは、お互いに生の情報をやりとりすることに意味があるということだ。もちろんパンフレットやQ&A資料などを読めば、それなりのことはわかってもらえるはずだが、それを直に会って直接説明を聞くということでイメージがはっきりするということだ。たとえば、パンフレットにかいてあることについて質問が出たりする。それに対して、「これは実はタテマエです」というように正直に答えることによって、高校生の大学に対する親近感は強くなるだろう。

 逆に大学教員の側も、高校生の生の声を聞くことによって、大学が何に力を入れるべきなのかがわかってくる。コースの名称ばかりが複雑化するばかりで、そこでいったい何が勉強できるのかについて高校生に全く伝わっていなかったりする。入試の方法や内容をめまぐるしく変えることによって、受験生に不安感ばかりを抱かせていたりする。

 大学側は「ぜひ、わが学部に来てください」という。進路指導の先生は「ぜひ、うちの生徒を取ってやってください」という。両者がお互いを理解し、協力する必要がある。