図解 心理学のことが面白いほどわかる本―本当のことがホントにわかる!
- 作者: 渡辺芳之,佐藤達哉
- 出版社/メーカー: 中経出版
- 発売日: 2000/04
- メディア: 単行本
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『図解 心理学のことが面白いほどわかる本』(渡邊芳之・佐藤達哉、中経出版、2000、1400円)を読んだ。一般向けの心理学の本だが、中身は本格的だ。
1〜 4章のキーワードはそれぞれ「性格、人間関係、やる気、心の動き」ということで、普通の人が「心理学」と聞いて思い浮かべるような話題をきっちりとターゲットにしている。つまり、普通の人が心理学という学問に尋ねてみたい内容をきちんとフォローしている。しかもそれを、とおりいっぺんの説明でもなく、さまざまな実験結果を羅列することでもなく、一本筋の通ったストーリー(というか理論)として解き明かしている。
本のキャッチフレーズの「本当のことがホントにわかる!」というのは誇張ではない。大学の心理学入門のテキストとしても利用できるだろう。というのは、心理学という学問の基礎となっている部分をすっとばさないで、きちんと説明しているからだ。著者二人の良心というべきか。
第3章「やる気を起こすメカニズムがある」は渡邊さんの担当。そこでは、行動分析学の考え方を解説し、それを「サラリーマンはなぜやる気を失うか」や「学校はなんでこんなにつまらなくなったか」や「生きがいをどうやって見つけるか」というトピックにまで展開する。行動分析学を扱う重み付けはこれくらいのバランスがいいのではないだろうかと思っている。一般の人が聞いてもっとも自分に役立たせることのできる内容だからだ。