KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

研究における人件費

 5月も終わりだ。このページの下の方にカウンターを置いてある。今月は1万を越えた。恣意的な数字ではあるけれど、なんとなくうれしい。月別のカウンターは、その月の1日にリセットすることにしている。一方、年間のカウンターはFastCounterに任せている。しかし、何度も止まっているので、あまり正確ではない。こちらも今年が終わればリセットするつもり。

 ページ開設以来の訪問数を表示しているサイトがよくある。カウントが何十万という桁数になっているのを見ると、「恐れ入りました」という気分になってくる。しかし、実は累積カウントの数字にはあまり情報はない。キリ番ゲットの楽しみくらいしかない。それよりも、一定期間内にどれくらいの訪問があるかという情報の方が、意味がある。

 それにしても、カウンターのプログラムくらいは自分で作れなくては、と思う。心理学の実験をばりばりやっていた頃は、実験プログラムを自分で書いていた。また、統計解析のプログラムも本を読みながら自分で書いていた。しかし、いつしかプログラムを自前で書くことはなくなり、ソフトウエア・パッケージで間に合わせるようになった。こんな自分が堕落しているように思う。しかし、プログラムを書くためのまとまった時間が取りにくくなってきたことも事実だ。

 ここ数年は、Web上で教材を開発する研究が多い。ちょっとインタラクティブな仕掛けをしようとすれば、Perlでプログラムを書く必要がでてくる。しかし、残念ながらうちのゼミ生はプログラムに弱いのが伝統である。やはり、ここは自分が率先してやらねばならない、ということに気がついた。夏休みはPerlに捧げるか。

 学内の予算を獲得することもあるのだが、そのとき人件費が必ず削られる。人件費には、教材の作成やプログラムの作成、データの入力、データの解析作業などを含めてあり、けっして法外な金額をふっかけているわけではない。しかし、いとも簡単に削られるのである。たとえば30万円申請しているところが、3万円になっていたりする。なんだこれは。物を買う予算は、けっして半分以下には削られないのにである。

 私の領域では、もう物はいらない。もちろん、速いマシンや大容量のストレージや高機能のソフトはいくらあってもいい。しかし、教授デザインの研究領域では、いかに優れたコンテンツを作り上げていくかというところがポイントなので、あまり物は関係なく、時間と手間をどれくらいかけたかが勝負なのだ。それをやっていくためには、人件費が必要だ。しかし、その予算は簡単に削られてしまう。

 なんだかあまりにも簡単に人件費が削られるので、今度は、9割方が人件費で占められるような予算申請を書いてみようかという気持ちになっている。物はいらない、人材が欲しいのだというデモンストレーションとして。