KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

ワセオケの「春の祭典」

早稲田大学交響楽団(ワセオケ)の定期演奏会を聴きに行ってきた。

私の授業をとっている学生がたまたまワセオケにはいっているということで、チケットを安く売ってもらったのである。演奏については何の期待もしていなかったが、聴いてぶったまげた。うまい。すごい。どうどうたる演奏であった。

とりわけ、「春の祭典」はアマチュア・オーケストラにとってはチャレンジングな曲目だと思うが、すごくよかった。東京芸術劇場のホールがうなっていた。

あとで、パンフレットを読んでみると、ワセオケの第100回定期公演(1970)で、アマチュアとしては初めて「春の祭典」を演奏したのだそうだ。それ以来、演奏回数は70回を越えているとのこと。十八番というわけだ。なるほど。

春の祭典」を聴くたびに思うが、これを初めて聴いた人はいったいどんなふうに感じただろう。今では、もはや、奇異なものはなにもない古典として自分の耳にはいってくることが不思議だ。本当に奇異なものがない。すべて計算され尽くしているように耳に入ってくる。古典になったのだ。

本当に久々の生演奏だったので、変な妄想がわいてきた。「未完成」を聴きながら、ブルックナーは、この続きを作曲するべきだったよな、とか。「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」を聴きながら、これってディズニー音楽だよな、とか。