KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

おばさんこぎ

一時、血圧が高くなってのぼせたりしていたのだが、降圧剤を飲むようになって、血圧が高くて不快になることはなくなった。そこで、自粛していた自転車通勤を再開した。

自転車再開にあたって、私はひとつの反省をした。それは、いままで自転車をむきになってこいでいたということだ。平らな道であれば、すぐにトップギアにいれようと一生懸命こぎ、上り坂と見るやいなや、尻を浮かせて力を込める。

違う。それではいけないのだ。ではどうこぐか。それは「おばさんこぎ」である。これを私は目標にした。「おばさんこぎ」とは、読んでのとおり、おばさんがこいでいるようにこぐことだ。彼女たちは、どうしてあんなに「力を入れずに」こぐことができるのか。しかも、自転車が倒れる寸前の「のろさ」で。それは芸術的でもあり、一種の悟りの境地でもある。

これを私は模範とした。けっして力を込めてペダルを踏んではいけない。ほとんど力をいれていないにもかかわらずなぜか前に進んでいる、そんなような状態で前に進んでいくのである。眠ってもいないが、目がぎんぎんでもない、半眼で醒めているようなそういう自転車こぎである。

登りとなれば、そのままにゆっくりと、下りとなれば、下りのままに、平らであれば、最小限の力で進む。そういう自転車こぎでありたい。