KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

卒論へのアドバイス

久しぶりに富山大学に行った。

富山に滞在している時間を利用して、8月まで預かっていた卒論生4人の卒論原稿を見て、アドバイスするためだ。もちろん9月以降は、引き継いでいただいた先生に見てもらっているけれども、テーマは私の指導の元で決めたものなので。

もうほとんど原稿はできているようなので、安心する。全体の構成や、論理展開の持っていき方から、細かい言い回しまで、問われるままにアドバイスする。2時間ほどかかる。

「なんだか、アドバイスを聞いたこの時点では卒論がすらすらとかけそうな気がするのよね」

「でも家に帰って、いざ書き出してみると、なかなか書けない……」

というような会話。いや、年内にこれだけできていれば大丈夫。

そのあとは、卒論生が用意してくれたケーキとコーヒーで一服する。ごちそうさま。

卒論で難しいのは、「結果と考察の違い」だと感じる。これは、この前の国語研での研修会でも出た話題だ。特に、考察で何を書けばいいのかわからない、という人が多い。

「結果は、出てきたデータをできるだけ客観的に記述し、まとめる。考察では、その結果をまとめた上で、複数の視点から、なぜそういう結果が出てきたのかを推理して書く。複数種類のデータをまとめたり、組み合わせたりして、なぜそうなったのかを書くんだ。必要ならば、二次的なデータ処理を行って、証拠や裏付けを増やす。あるいは先行研究の知見との対比を行って、検討する」

というように説明する。しかし、これは実際にやっていかないと難しいね。

せっかく大学に来たので、同僚だった先生方と話をする。やはり県内の3国立大学の合併再編が大きな課題として残っているようだ。国立大学の場合は、イニシアチブの取り方が難しい。権力と責任を同時に背負ってもらって、道をつけてもらう人(あるいは集団)を民主的に選んで、進めて行くしかないような気がする。議論百出はいいのだが、そのあとで、「ではこれでいこう。責任は私が負う」といって、リーダーシップを取る人が必要なのだ。そして一度ゲタを預けたら、その人を信頼して、支えるということ。それがなくては、進まない。