「おけさ柿」という佐渡でとれる極上の柿を送っていただいたので、ゼミの時間にいくつか出しておいた。とはいっても、ナイフはここにはないので、持ってかえってもらうつもりで置いておいたのだ。
そうしたら、ゼミ生の一人が「いただきます」というので、「ナイフがないので皮がむけないんだよ」といった。
「え? 柿なら皮のまま食べますよ」
「そういう人、初めて見たよ」
「そうなんだ。カオリン(仮名)がお客さんに柿をそのままだしておいたら、誰も食べなかったことがあったんだけど、ふつうは皮のまま食べないんだ」
「皮、硬くないか?」
「平気ですよ」
といって、本当に柿を皮のまま食べ始めた。
梨やリンゴなら、私も皮のまま食べることがあるけれども、柿はやはりむいて食べた方がおいしいと思う。
でも、家に帰ってから、こっそり一人で柿を皮のままかじってみた。
やはり、むいて食べることにした。