KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

黒板レクチャー

eスクールで担当している統計学1と2は、完全なWebベースPSIコースで、私がレクチャーする場面はない。わずかに一番最初のコマで「よろしくお願いします」と顔を出す程度だ。

とはいえ、それではちょっと寂しいかもしれないので、途中で復習のレクチャーをビデオ撮りして配信した。それが思いの外好評だったので、やってよかったなと思っている。

私のレクチャーは例外なくスライドを使っているけれども、この統計学のレクチャーについては、黒板を使って話してみた。めったにない体験で新鮮であった。

黒板のよいところは、図を継ぎ足し、継ぎ足し、時々不要なところを消したり、また継ぎ足したりしながら、プロセスを追って話ができるところだ。これはWeb上であれば、簡単なアニメーションを作れば再現可能だけれども、いざ作るとなると面倒だ。その点、黒板であれば、簡単なシナリオさえ用意しておけば、その場で図を描いていくことができる。そして、それにあわせて説明することで、聞いている方が理解しやすいスピードに制御される。

ポイントはあまり字を書かないことだ。せいぜいキーワードくらいにしておく。そして、絵や図を中心に描いていくこと。イメージの力は強い。何度も言葉で説明されても理解できなかったことが、ちょっとした図で説明されて、一気にわかることがある。

何が理解の引き金になるかは、個人差が大きい。言葉か、イメージか、あるいはちょっとした言い回しか、話し手の仕草か。どれが引き金として働くかは予測がつかない。とすれば、話し手ができることは、せいぜいできるだけ多様な引き金を用意しておくことだろう。

誰にとってもベストな説明の方法があればいいのだけれども、現実はそうなっていない。だからいろいろな表現手段やメディアを試してみるのがいいのではないか。