KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

2003年を振り返る

簡単な掃除をする。来年3月には、家族の引っ越しが待っているので、どれを捨ててどれを持っていくなどの打ち合わせを妻とする。

さて、2003年を振り返っておくことにしよう。

2003年は4月に開設する通信教育課程のための仕事で始まった。

具体的には、スタジオに入って講義をビデオ収録することだ。担当する科目のうち、統計学はすでにPSI方式でのやり方が確立していたから、それをオンラインに移すだけでよかった(それでも、遠隔教育のためには多くの工夫が必要であることは、その後に次第に明らかになる)。しかし、新たに設けられたインストラクショナルデザインという科目はゼロから授業を組み立てることになった。授業設計をして、スライドを作り、ビデオ収録をするというサイクルを3月まで継続した。

この仕事はひどく大変だったが、その副産物として、自分なりのインストラクショナルデザインについての構想がまとまった。いずれにしても、いつかはこの仕事をしなければならなかったのだから、通信教育課程の仕事としてできたことは喜ぶべきだろう。それにしても、疲れた。その疲れは、4月になってから表面化した。喉を痛めて声が出なくなり、何度か休講をした。

早稲田大学人間科学部での授業は、富山大学に比べてずっと大変であった。富山大学では教育学部ということもあって、基本的に授業をまじめに受けてくれる。一方、早稲田では、少しでもつまらない話をすればたちまちざわざわとしてくる。100人から300人のクラスでは、こうしたことは仕方ないのかもしれない。いつでも、こちらがうれしくなるほど授業内容に食らいついてくる学生がいると思えば、その一方で、単位さえ取れればよいと考える学生がいる。そうした状況は、自分にとってチャレンジに値することだと思っているが。

私にとっての一期生となる5人のゼミ生(3年生)ができ、ゼミを開始する。富山大学では修士学生を持っていたが、ここでは、当面の間、大学院生の指導は持つことができない。急に仕事が増えないという点では、これはむしろありがたいことかもしれない。今、構想として持っているのは、できるだけ少人数の院生を持って、研究者として育てていきたいということだ。いや、育てるというのは不遜だな。インストラクショナルデザインの研究と実践を一緒にやっていきたいと考えている。

楽しいインストラクショナルデザイン研究会というものを開始した。大学の枠を取り払った完全にオープンな研究会だ。私としては、社会貢献の一つとして捉えている。これは少人数ながらも続けられている。社会人の参加が多いことがこの研究会の特徴だ。大切に続けていきたいと思っている。