KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

教育工学科

インターネットで調べものをしていたら、すてきなサイトを見つけてしまった。

教育工学百科:Encyclopedia of Educational Techonologyというサイトだ。サンディエゴ州立大の大学院レベル以上の人がボランティアで教育工学のキーワードについての解説をしている。サイトの目的によると、教育工学の初心者から中級者が、この領域での研究をするための出発点として使ってほしいとのこと。うーん、いいねぇ、その心意気が。自分の領域と後継者を育てていこうという気持ちが表れている。

サンディエゴ州立大について調べてみると、教育工学科(Department of Educational Techonology)がある。陣容を見ると、教授・助教授が9人、講師が9人、技術他支援スタッフが4人となっている。

教育工学関係の開講科目は次のようなものだ(一部):

  • 学習、技術、社会
  • 教えるためのテクノロジー /上級コースもあり
  • 教材のデザインと制作
  • 教育工学
  • Webマルチメディア開発 /上級コースもあり
  • インストラクショナル・デザイン /セミナーもあり
  • 遠隔教育 /入門もあり
  • コース供給のための技術
  • テクノロジーベース学習の心理学
  • サイバーカルチャーと学習システム
  • シミュレーションとゲームによる探索学習
  • 学習環境デザイン
  • プロジェクト・マネジメント
  • パフォーマンス・テクノロジーのセミナー
  • インターンシップ

うーん。やはり教育工学科というだけあって、科目が分厚いね。

このような規模の教育工学科は、アメリカの大学では、いくつもある。教授から講師まで20人程度を集め、教育工学関連の科目だけで20科目程度を開ければ、教育工学科が成立しうる。日本の大学でも人材はいるが、一カ所にこれだけの人数が集まっているところは、ない。教育工学科がないのだから当たり前の話ではあるが、「うちの大学は教育工学でいく」と宣言すればできない話ではないと思う。しかし、そういう方向には進んでいないようだ。大学の経営が厳しくなつりりある今、特色のある学科を作ることが重要な戦略になってくるだろう。

日本の大学では唯一「インストラクショナル・デザイン」という科目を開いたというだけでは、まだまだなのだ。