KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

初めての基礎演習を振り返って

今日で基礎演習の授業が終わった。基礎演習というのは、一年生を対象とした「大学入門」のような授業で、簡単に言えば、新入生に早く「高校生から大学生になってもらおう」という趣旨だ。今では多くの大学でこのような授業が開かれている。科目の名前は、「基礎ゼミ」、「入門ゼミ」、「導入ゼミ」、「大学学」などさまざまだ。

初めてこの授業を受け持ったので、新鮮な体験ではあったが、同様の授業は富山大学でもあったので、蓄積がないわけではない。

今回の授業のデザインについては、次のような3部構成にした。

  • ライフスタイル診断
  • ソフトボール大会参加のための練習
  • 実用文の書き方

ライフスタイル診断では、「なぜ自分は今ここにいるのか」ということを考えてもらうことを目標にした。アドラー心理学のいくつかのテクニックを使って診断することで、自分を振り返った。同時に小グループで話し合って、お互いにうち解けることを目標にした。

そのあと、学部のソフトボール大会があるので、それに参加するかどうかを確認すると、出るというので、2回分の練習日を設けた。はじめはうだうだしていても、やり出すと楽しかったようだ。お互いの名前を覚えるいい機会になったとも言っていた。びっくりしたのは、大会で準優勝をさらったことだ。私はその日、出張だったので見られなかったのだけれど。

後半は、実用文の書き方を丁寧に時間をかけてやった。一般向けの実用文ワークショップは、1日かけて6時間の設計でやっているが、このように5週くらいに分けてやってみても、効果は高いようだ。小論文の指導を受けているにしても、このように体系的に学ぶことでレポートに対するレディネスを高めることができる。とりわけ、トゥールミンモデルをけっこうあっさりとマスターする人もいるなどポテンシャルの高さを感じた。

これを発展させて、もっときっちりとレポートの書き方を学ばせるという手もあるだろう。たとえば引用の仕方や文献リストの書き方など。でも、それはここでやるより、実験調査が始まってからのほうがいいように思う。ここでは、文章の骨格とパラグラフの構成をきちんと学んでおくことだ。これは、いつでも基本中の基本だから。

全体として、満足している。ただ、一限の授業(朝9時から)のため、いつでも半数以上が遅刻するのには、まいる。バスが混んでいるというのもあるのだが、なんとかならないものか。

この基礎演習は、隔年で受け持てばよい授業である。来年はお休みできるのが、ちょっとうれしい。