KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

「インストラクショナル・デザイン」授業を振り返って

インストラクショナル・デザイン(ID)の授業が終わり、あとは最終テストを残すだけになった。この授業について振り返っておきたい。

早稲田に移ってから任された授業で、今回が2年目だった。基本的な枠組みは1年目に立てたものと同じで、前半はIDプロセス(ニーズ分析、ゴール設定、タスク分析、教授方略、形成的評価、総括的評価)をステップごとに進めていき、後半はIDを支える心理学の基礎(行動分析学認知心理学、状況的学習論、アドラー心理学)とIDの関係を説明するものだった。

1年目はスライドなどの準備によって取り上げるトピックを固め、続く2年目はワークブックを作って、授業内の活動をより促進することができたと思う。3年目を一応完成の年と定めよう。300人の大規模クラスの授業運営のパターンを確立したいという気持ちがある。特に、復習クイズの実施や、小グループ討論を充実させること(大規模クラスのワークショップ化)、大福帳の利用を含め、質疑応答を実効化することなど、いくつかの課題が見えている。

もし「ID2」と呼べる科目が開けるなら、それは教材デザインの理論と実例を中心に組むこともできるだろう。構成はこんなふうだ(カッコ内はかける時間の割合):ID独自の総合理論(1)、行動分析学による教材デザイン(2)、認知心理学による教材デザイン(4)、状況的学習論による教材デザイン(2)、教材の評価(1)。ID2は、ID1の理論重視に比較すれば、非常に実践的な科目になるだろう。

自分の今やっているバイトや仕事に役立つこと、そして自分の勉強の仕方にヒントを与えること、については、受講生にかなりのインパクトを与えることができたようである。