KogoLab Research & Review

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経営戦略としてのeラーニング

日本の大学のeラーニング、弱点は(下)  中原淳NIME助手

eラーニングではテクノロジーが注目されてきた。だが、持続的なeラーニングを目指すなら、技術以外の「リーダーシップ」「ワークフロー」「スペシャリスト」「組織」「ポリシー」といった戦略に注目すべきではないのか。

いくつかの国立大学に呼ばれてeラーニングの話をするたびに感じたのは、eラーニングについてのリーダーシップやポリシーがないこと。これを作るのは、完全に学長や学部長といった人たちの仕事だと思う。でも、教育理念はあっても、経営戦略がないんだろうね。その点、私学ははっきりしている。トップダウンで戦略が降りてきたとして、対立や不満はおこるにしても、戦略としてそれが合理的であると納得されればその方向に進むから。

MITの広報としてのオープンコースウエアや、イギリスのオープンユニバーシティなど、いろいろなタイプの戦略的eラーニングが行われている。自分の大学が経営戦略としてどのようなタイプを取るか、あるいは新しく考え出すかということが、大学の将来を決めることになるかもしれない。私は成人教育に焦点化してみたいが、それこそニーズはいろいろなところにあるはず。で、これはマーケティングなんだよね。それを上に立つ人がやるか、あるいはそういうスタッフを抱えることが必要になってきている。