KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

フェニックス・オンライン大学

そういえば、PAGE'05の時に、eラーニングコンソシアムの小松さんからフェニックス大学のことを聞かされていたんだ。完全なオンライン大学で、学生数が3万人以上という。

http://www.between.ne.jp/america/12.html によると:

開設からの10年余りで数千人の卒業生を世に送り出してきた同大学では、現在も約3万人以上が学んでいる。学生の平均年齢は35歳、平均年収は5〜6万ドルである。

同大学で取得できる学位は、会計学経営学(Administration)、管理学(Management)、Eビジネス、ヘルスケアサービス、IT(情報技術)、看護の学士号・修士号、教育学の修士号やMBAなど。

教員は225人のフルタイムに加え、地理的拘束がない利点を生かし、優に4000人を超えるパートタイムの教員が全米各地から指導を行っている。選考は専門知識や教授能力など、かなり厳格な基準に基づいて行われ、全員が修士号か博士号を取得している。

学費は、2002年4月現在、出願料が85ドル、オンライン・グループスタディの授業料は、学士課程が1単位につき410ドル、修士が505ドル、博士が550ドルとなっている。

授業をオンラインで受けなければいけないのは、オンライン討論会等の授業に参加するときだけで、これはだいたい月に1〜2時間。その他の講義、質問、宿題などは、各自がテキスト形式でダウンロードしてオフラインで進められるようになっている。

学び方はまったくの自由というわけではなく、理解を深めるため、履修は一度に1コース(約5〜6週間で修了)と決められている。また、週7日、毎日、クラスに参加しなければならない。相当な覚悟をもって取り組まないと、修了はおぼつかなくなる。

「質に問題がないことは、オンラインクラスで学位を取得した卒業生の多くがキャンパスで学ぶ学生の成績と同じかそれ以上であることが証明している」とミューラー氏は断言する。

単位あたりの授業料を見ると、けっして安くない。それから、履修のしかたも一度に1コースしか取れない条件で、かなりインテンシブだ(オープンユニバーシティのマスターコースと同じ感じ)。

教材自体は、講義ビデオのストリーミング配信ではなく、ダウンロードして各自が進めていくという形式なので、そのあとのオンライン討論が学習の中心になるのだろう。それを支えるために専門知識を持ったパートタイム教員をたくさん雇っている。

参考になるのは「数多くの科目の中から、いつ、何をどういう順序で履修すればよいかを学生にアドバイスするアカデミック・アドバイザーもいる」という点で、これはeスクールにも必要だなと思う。

でも、よく考えれば、通学生でもこうしたアカデミック・アドバイザーは当然必要なのであって、そこが抜け落ちているがために、現在の「科目情報誌」の隆盛があるのだろう。科目情報誌は悪いことじゃないとは思うけれども、面白さや単位取得の難易度などとは違う、キャリアや将来目標に照らした科目選択方法が大学から提示されるべきだと思う。