情報デザイン原論―「ものごと」を形にするテンプレート (情報デザインシリーズ)
- 作者: ロバートヤコブソン,Robert Jacobson,篠原稔和,食野雅子
- 出版社/メーカー: 東京電機大学出版局
- 発売日: 2004/01
- メディア: 単行本
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情報デザインをキーワードに集められた論文を本にしたもの。個人的にヒットするものもそうでないものもあるが、読者は自分にとって面白い論文を見いだすだろう。
デザインとは、思考と実践の区別をすることから生まれてきた。たとえば、建築家が「設計」したものを、大工が「工事」するようになった。とすれば、授業を設計し、同時に実施するのは未分化な状態なのか。逆に、教科書も指導書もできていて、それを実施するだけなのにうまくいっていない例があるのはどうしてか。
工業化によって私たちは人間としての能力を縮小してきた。本来の教育は、興奮、発見の喜び、創造などを与えるものなのに、今の教育は細かい事実や試験にとらわれすぎている。試験はどこまでわかっているかを調べるはずのものなのに、何がわかっていないかが明らかにされてしまう。
実りある会議の条件は、ファシリテーターと記録係だ(おお、ここでもファシリテーターの登場)。この二役をまとめてグラフィックファシリテーター(理解助手)と呼びたい。
情報の概念は次のように変遷してきた。
- 情報は秩序ある現実を描写する
- その現実を発見できるのは適切な観察能力と技術を持った者だけである
- その現実は時と場所によって変わる
- その現実は文化によって異なる
- その現実は人によって異なる
- 情報は力のある者が無力な者に対して使う言葉の道具である
- 情報は混沌とした現実に秩序を与えるものである
何かを理解するということは、「データ→情報→知識→知恵」に変形していくことである。そして、コンテクストを「グローバル→ローカル→パーソナル」に変形していくことである