KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

東豊『セラピストの技法』

セラピストの技法

セラピストの技法

  • 病気になって、思い詰めて、食欲を失い、ますます病状を悪化させる人もいれば、休養のチャンスととらえ、看護婦を口説いたりして、早く元気になる人もいる。つまり、病気そのものに固有の価値も意味もないということだ。
  • 「来談者個人の枠組み」に合わせつつ、その「枠組み」をいっそう理解するという循環が生ずる。
  • セラピストは上手に影響を与えるか(操作するか)、下手に影響を与えるか(操作するか)の差だけである。上手というのは、来談者にとって「結果がラクになる」方向を向いていることと、来談者にとって「無理に変えられている」という感覚が少ないという2点が重要。
  • 来談者や他の専門家から、「これがあるからダメなんだ」と枠づけられた「これ」を使うことができるようになると、一流のセラピスト。
  • 治療で邪魔になるものは、セラピスト自身がそれを「邪魔なもの」と枠づけしないかぎりは何もない。
  • 治療中、私自身が何かを本気で「問題」だと見始めたときは、その治療はうまく行っていない兆候である。
  • 解決のために、相手の資源を使うことである。肯定的に見られている資源は誰でも使える。しかし、否定的に見られているものも、それが存在するかぎりは使える。