KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

信州大学インターネット大学院の工夫

研究会で興味を引いた発表は、信州大学大学院の報告でした。情報工学専攻で、おもに社会人を対象としたインターネット大学院を開講している中で、どのような工夫をしているかということです。

まず、学生に対して個別の履修計画を立てるということです。仕事の都合によっては4年間の長期履修というパターンで学習を進めることも可能です。

そして、学生のログをモニターすることにより、何か問題が発生すれば、メールで呼びかけて、場合によっては新たな履修計画を立てるということもします。このようなサポート内容を履歴として見ることも可能です。

ひとつの科目は、年度をまたいで履修してもいいということです。これはすごい。eラーニングの柔軟性を活かしたものになっています。

このような柔軟なシステムは、社会人学生にとっては福音ですが、逆に学生間の進捗はバラバラになるわけですので、教員にとってはそれが負担になるのではないかと思います。そのことを質問したら、システムのサポートによって大丈夫とのこと。

1つの科目をセメスターで履修するか、あるいは、2年かけて履修するかを選べるのは、キャロルの時間モデルからいってもすばらしいことです。またeラーニングにつきものの先延ばし行動もログの細かいチェックでモニターできれば問題は少ないと思います。

あとは、授業料の関係や、年度またぎによる事務の繁雑化の問題が残りますが、授業料が最初に固定で決められていれば、あとはシステムの運用だけの問題になります。ここらへんの制度をきっちり作っているところに、信州大学インターネット大学院の成功の要因があるような気がしました。