KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

ダニエル・レビンソン『ライフサイクルの心理学 上・下』

ライフサイクルの心理学〈上〉 (講談社学術文庫)

ライフサイクルの心理学〈上〉 (講談社学術文庫)

Amazonでは絶版になっているようす.30〜40代の生き方に考えるところのある人のみならず,研究的にも読む価値はある.

成人期の発達課題をユングのモデルを下敷きにして明らかにする.

  • 3〜17歳:児童期・青年期
  • 22〜40歳:成年前期
  • 45〜60歳:中年期
  • 65歳以降:老年期

それぞれの間を過渡期と位置づける.ユングのモデルは,40歳を「人生の正午」とし,それ以降は「個性化」(本来の自分になる)が起こる.

35〜45歳の40人の男性に対して,伝記的面接をして,個人史を探る.一回1〜2時間の面接を5〜10回実施.テープ起こし原稿は一人当たり平均300ページ.

成年前期の発達課題は:

  1. 夢を持つ
  2. 良き相談相手
  3. 職業を持つ
  4. 恋人を作り,結婚し,家庭を持つ

ここで,自分の夢と結婚相手との暮らしが不整合になることが多い.

中年期の発達課題は:両極性の解決

  1. 若さと老い
  2. 破壊と創造
  3. 男らしさと女らしさ
  4. 愛着と分離

成人期発達の問題は:

  • 友情の不在(同性も異性も)
  • 良き相談相手を持つこと
  • 第2の本職に変わること