KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

PSIの復活

YouTubeビデオをアップしてすぐ、面白いことがいろいろありました。いとこが感想を聞かせてくれたんですが、YouTubeビデオの方が私から直接習うよりいいそうです。(笑) 何か褒め殺しみたいですが、これはすごく根本的なことです。彼らには生身の私より、再生された私の方がありがたかったのです。一見直感に反するようですが、彼らの立場になって考えると理解できます。私に時間を割かせる負い目なしに、授業を一時停止したり、繰り返し再生したりできます。何週間前とか何年前とかに学んでいたはずのことを復習しなければならない時も、恐縮しながら頼む必要はありません。単にビデオを見ればよく、退屈な部分は飛ばすこともできます。好きなときに自分のペースで見られます。もう1つビデオにはありがたい利点があります。新しい学習課題をはじめて頭に入れようとしているとき一番嫌なのは、他の人に「理解できたか?」と聞かれることでしょう。直接教えていたときには私もよく聞いていました。今や彼らは自分の部屋で、くつろいで勉強することができるのです。

http://www.aoky.net/articles/salman_khan/let_s_use_video_to_reinvent_education.htm

これは重要な指摘だよね.よく「教育は直接対面してなされるべきだ(eラーニングなんて教育の名に値しない)」という正論が振りまかれるけれども,教えてもらう方にしてみれば,そうでもない!

マイペースの学習というのはみんなに有用なものです。教育用語では個別化学習と呼んでいますが、実際教室でやるとすごいものがあります。私たちがこれをやるたびにどの教室でも見られるのは、5日もすると競って上がっていく子どもたちと、もっと遅い子どもたちとに分かれます。今までは、ある時点で評価をして、「この子はできる子、この子はできない子だ」と言っていました。「別々に扱うべきかもしれない、クラスを分けたほうがいいかも」。でも自分のペースでやらせると、これは何度も目にしていることなのですが、最初のいくつかの課題を学ぶときに時間のかかっていた子どもたちが、それを理解したあと急に上昇を始めるのです。6週間前にはできない子と思っていた子が、今やできる子になっているのです。そういうことは何度もあります、私たちが恩恵を受けている肩書きのどれほどが、実際は偶然にもたらされたものかと思います。

PSI=Personalized System of Instruction(個別化教授システム)の復活です.だれもが,簡単にビデオを配信できるようになった今,普通の人がPSI教材を提供できる環境になったのです.