KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

院ゼミコラム(1):自分のWebサイトを持つ

大学院生には,自分のWebサイトを持つことを強く勧める.具体的には,ブログと固定ページ(自己紹介や研究業績など)を公開できる無料サービスを使って自分のサイトを公開しよう.無料サービスにはいくつか選択肢があり,WordPress*1はその選択肢の1つだ.

研究者サイトは,mixifacebookのようなソーシャルネットとは趣旨が違う.研究者としての自分の活動を記録し,研究成果を社会に公開することにより,研究者としての義務を果たすというのが,こうしたサイトの目的だ.

こうした研究者サイトの具体例としては,冨永敦子さんのサイト*2や,向後研究室のサイト*3を参照しよう.具体的にどのような内容を公開すればいいのかがわかる.

なぜ研究者サイトを持つことが必要なのか.それは,自分がある研究に興味をもったときに,どのような行動を取るかを考えてみるとよくわかる.

研究会での発表を聞いたり,インターネットで論文を検索したりして,ある研究に興味を持ったときには,その著者名をキーワードとして検索するだろう.もし,その研究者が自分のサイトを持っていれば,そこにはその研究者の業績一覧や,これまでに書いた論文のコンテンツがまとめて公開されている.

また,もしその研究者がブログを書いていれば,どのようなきっかけでこの研究を始めたのかということも書いてあるかもしれない.今,どんな研究アイデアを暖めているのかということも書いてあるかもしれない.このような情報をまとめて読めば,訪問者は1本の論文で知りうるよりも,はるかにたくさんの情報を手に入れることができる.

CiNiiGoogle Scholarなどのサービスによって,公開されている論文はオンラインで入手することができるようになった.しかし,それはその著者が書いた論文の一部分にすぎない.データベースに登録されていない論文もある.また,学会が一定期間,掲載済み論文を公開しない場合もある(会費を払っている会員の特権を保つために).そこで,著者自身が自分のサイトで論文を公開する意義が出てくる.

たいていの場合は,論文誌に載った論文の著作財産権は学会にある.しかし,非営利で,著作者自身が自分のサイトにそうした論文を公開することを認める学会が多くなってきている.したがって,論文の著作者は,出版元の学会に公開可能であるかどうかを確認し,もし可能であれば公開するのがよい.そうした情報を公開する場所として,自分のサイトを持つようにしよう.

それは研究者としての社会貢献でもあるし,また,自分自身をアピールするための大きなチャンスでもある.