KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

指導教員は遠くにありて思ふもの

サバティカルに入って,2ヶ月が経過した.

専門科目の授業は開講していない.3年生と4年生の演習と卒論指導はしないわけにはいかないので,非常勤の先生とTAの人に任せてある.自分が受け持っているのは,修士課程と博士課程の指導と修士の実習科目のみ.修士の実習科目は,本来は開講しなくてもよかったのだけれども,自分の院生のためになると考えて開講している.

感じたことは,演習指導は自分がやるよりも他の先生に頼んだ方がむしろうまくいっているのではないかということだ.演習の進行については『卒業研究はじめの一歩』というテキスト*1をすでに作ってあるので,だいたいそれに沿って進めてもらっている.そういう枠組みはあるにしても,実際の運営は,若い先生とTAに任せた方が,きっちり進んでいるような感触がある.

思い出すのは,前に富山大学で教員をしていたときに,JICAの仕事でタイに1年間赴任したときのことだ.そのときの卒論指導は,電子メールでのやり取りだったのだが,対面で指導した年の卒論と比較すれば,同等か,むしろより優秀なものだった.そのときに

「指導教員は,もしかすると学生のそばにいない方がいいのではないか.その方が学生が自分でなんとか道を切り開いていくし,ときたま届く教員のアドバイスを真剣に受け取って考えてくれる」

という仮説を持った.

この仮説は正しいような気がするのだけれども.