- 作者: W.ティモシー・ガルウェイ,後藤新弥
- 出版社/メーカー: 日刊スポーツ出版社
- 発売日: 2008/09
- メディア: 単行本
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Timothy Gallweyの「インナー」シリーズの本の中で、この本だけが日本語タイトルに「テニス」を冠している。そのためにテニス専用の本だと思われているかもしれない。しかし、そうではない。
「インナー」に関する本を出版年順に並べてみるとこうなる:
- 1974: The Inner Game of Tennis 『インナーゲーム』
- 1976: Inner Tennis - Playing the Game 『インナーテニス』
- 1997: The Inner Game of Tennis改訂版 『新インナーゲーム』
- 1999: The Inner Game of Work 『インナーワーク』
- 2009: The Inner Game of Stress 『インナーストレス』
実は、『インナーゲーム』の初版も改訂版も「tennis」という単語がタイトルに入っている。この日本語版で「テニス」を削ったのは適切だった(中身はテニスの例が山盛りなんだけどね)。
で、この本のタイトルは『インナーテニス』だ。しかし、この「テニス」の部分にあらゆるスポーツを入れてもOKであるし、さらにいえば、人間のあらゆる活動に当てはめることができる。
そのモデルはシンプルで:
- 私たちの内側には、知性と感情を(コトバと感情を使って)つかさどるセルフ1と、知覚と運動を(本能のままに)つかさどるセルフ2がいる
- セルフ2を信頼して任せれば、私たちは失敗しない(失敗したという判断はセルフ1の仕事だから)
- セルフ1が「失敗」と判断する現象を、セルフ1抜きに純粋に知覚して調整することで、自ら上達することができる
- 「理想のフォームになれ」(セルフ1)という外からの要求ではなく、「自分の感覚と筋肉を感じること」(セルフ2)を示唆するのがコーチの仕事(教えるのではなく、どこに注意を向けるのかを指示するだけ)
ゲームは遊びだ。セルフ1に惑わされることなく、全力で遊びを楽しむことができれば(逆説的かもしれないが)最も速く上達する。それはテニスに限らない。