KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

早稲田大学が全学オープン科目として「体験の言語化」という科目を2014年から開いていることは、学内でもあまり知られていないかもしれません。

WAVOCの「体験の言語化」研究会に呼ばれて話をしてきました。早稲田大学が全学オープン科目として「体験の言語化」という科目を2014年から開いていることは、学内でもあまり知られていないかもしれません。

ボランティア、インターンシップといった体験を大学の外でしてきた学生を対象に、その体験、自分の思考を他者に伝える力を育成しようという科目が「体験の言語化」です。今回の研究会では、そこにインストラクショナルデザインがどのように役立てるかということがテーマでした。

課題は2つありました。

  1. 学生自身の変容的学習を目指すこととインストラクショナルデザインの整合性
  2. 全学にこの科目を展開していくときの担当教員の育成

1番目の問題は、インストラクショナルデザインとともに成人教育学の枠組みが助けになるだろうと思います。そして、その視点で見ると、この授業によって学生自身の人生のパースペクティブが変わり、自分が変容していく可能性があることで、大学の授業の中では非常にユニークなものになるだろうと言うことです。

そうすると、2番目の問題として、この科目を全学的に広げていきたいわけです。しかし、担当する教員をどのように育成するかが問題となります。私は、助教の人たちをトレーニングしてこの科目を担当できるようにしていくのがいいと思います。どんな専門を持っていても、この科目が指向するコミュニケーション力の育成は重要な一部だからです。

すでに文科省からは、ボランティア体験を大学で単位化するように示唆されています。とはいえ、実際はその体験をどのように検証するかがネックとなっています。そこで「体験の言語化」のような授業が、その体験を検証し、コミュニケーション力を高め、さらにそれにとどまらず、学生自身の変容を促すものであれば、すばらしいものになるのではないかと思っています。

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