2021年2月10日(水)
こんにちは! 向後です。
先日こんなツイートを見ました。
「A、B、C、Dという過程を経てEができるようになった人が「EをするのにA、B、C、Dは無駄」という「学習アドバイス」をするのを目にします。教育現場で実際に学習者を見ていない人がこのミスをしがちです。」(2021/01/17)
https://twitter.com/TNK_KNCH/status/1348537607018348544
教育現場に限らず、こうしたことはたくさんありそうです。特に、ネットの世界では、とにかく結論を先に知りたいという欲求が強くて、それを「最速で教えましょう」というサイトが溢れています。それを「最速ルートという罠」と名付けたいです。
実は、Eというゴールまで最速ルートで行くためには、隠されたA-B-C-Dというルートをたどることが必須であったりするわけです。これをカリキュラムと呼ぶこともあります。もちろんEというゴールを先に見てから、D→C→B→Aとさかのぼっていく方法もあります。これを「逆向き設計 (Backward Design)」と呼ぶこともあります。
もちろん最速ルートでいくというのは、何かを教えるときの評価基準になります。同じことをマスターするのに、最速・最短でいくのに越したことはありません。しかし、最速でいくためには、とばすことのできないステップがあります。そのステップをとばしてしまうと、逆に回り道をすることになるのです。
最速ルートでいくということを捨てれば、その回り道をするのも悪くはありません。より着実なものになるでしょうから。
いずれにしても、何かをマスターするためにはとばすことのできないステップがあるのだということです。
では、良い一日を!
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