KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

ゴールは大切だけど、そこに至る経由地にこそ意味がある

2022年5月23日(月)

先日、札幌〜函館〜仙台を回ってきました。第3回目の遠征です。行きは札幌まで飛行機で直行しましたけど、帰りは鉄道を使いました。私は昔は飛行機が好きでした。しかし最近は鉄道が好きになりました。その地域を回るのでも、タクシーで直行するよりもバスで行くほうが好きです。この変化はなんなのでしょう。

「教える技術」的にいえば、目標(=ゴール)を明確にするのが大事です。どこに行くのかということですね。しかし、いったんゴールを明確にすると、そこに至る経路はさまざまな選択肢があることに気づきます。

タクシーよりもバス、飛行機よりも鉄道が好きなのは、ゴールに至るまでの経由地が見えるからなのかなと思います。ゴールに着くまでには、経由地があります。その経由地によって、最短のルートであったり、回り道のルートであったりするわけです。

「教える技術」的には、最短のルートが効率的に良いとなります。でも、人にはそれぞれの個性や個人差がありますから、最短のルートが常にいいとはならないですね。回り道のルートの方がその人には最適だったりするわけです。

スモールステップの原則は、この意味でその人にとっての最適のルートを探そうということです。そこで、多くの人に有効なステップは標準的なルートになります。しかし、人によって全然違う経由地で、成長のきっかけを見出すことも普通にあるわけです。

何度やっても進歩しないというときは、まったく違う方法を試すといいです。それがきっかけで大きな進歩を遂げることがあります。その意味で、教えることというのは創造的な仕事なのです。

ゴールの設定は大切です。その方向で努力するための第一歩ですから。しかし、そこに至るルートはたくさんの選択肢があります。そのひとつひとつの経由地にこそ意味があるのだと思います。

スーパーヒーローがいないとすごく怖くなる

2022年5月20日(金)

映画館で「シン・ウルトラマン」をみてきました。見終わって、「あ、私はウルトラマンの世代じゃないかも」と感じました。そう、私は「ウルトラQ」なんです。だから、冒頭でウルトラQのテーマ曲が流れたときにはもう胸熱でしたよ。YouTubeから「タケダ、タケダ、タケダ〜」のCMコーラス入りでどうぞ。

https://www.youtube.com/watch?v=wJvoAnhSrDQ

宮内国郎すごいな。音楽と効果音だけで怖がらせるってすごい。Apple Musicに「ウルトラQオリジナル・サウンドトラック」というアルバムがあるので、聴いてみる。これは聴きごたえがあります。

さて、ウルトラマンがテレビで放映されていたときは、私は小学生でしたので、確かに見ていたはずなんですけれども、あまり共感しなかったのですね。それに対してウルトラQは数々のエピソードが記憶に残っています。印象が強かったのは、年齢的に早かったということもあるでしょう。しかし、それよりもウルトラマンという怪獣と戦うスーパーヒーローがウルトラQにはいなかったというのが大きかったような気がします。

異星人とか怪獣とか何かわからないものに人間が素手で立ち向かうって、すごく怖い。映画におけるスーパーヒーロー全盛の現代から見ると、ウルトラQのユニークさが際立って見えてきます。

‘即レスの人’をやめると、何が起こるか

2022年5月16日(月)

先週の記事で、ジェイク・ナップ、ジョン・ゼラツキーの『時間術大全:人生が本当に変わる「87の時間ワザ』(ダイヤモンド社, 2019)を紹介しました。要点は次のようです。

- 1日を充実させるためには、ハイライトのタスクをひとつ決めてそれに集中する
- ハイライトのタスクに集中することを妨げるものは、あれこれのノイズだ
- 集中を妨げる最大のものが、メールやSNSだ
- メールやSNSに触れる時間を制限することで生活が変わるだろう

そして、この一週間、私は即レスの人をやめてみました。具体的には、メールやSNSに触れるのは一日3回(午前、午後、夜)と制限したのです。それ以外の時間はメールもSNSも見ません。そうしたら何が起こったでしょうか。

まず、心の平穏が得られるようになりました。ちょっとした待ち時間、電車に乗っているとき、一人で食事をしているとき、こうした時間に今までは必ずメールをチェックし、SNSを巡回していました。それをやめるのは最初は強い意志が必要でした。しかし、ほどなくしてできるようになりました。FacebookやTwitterのアイコンを押す代わりに、Kindleを開いたり、GoodNotes5を開いたりするという代替行動を取ることで、うまくいきました。

SNSをチェックする代わりにKindleを開いて、本やマンガを読めばいいのです。そうすると、心が落ち着いてきます。SNSで心がザワザワするのとは正反対の効果が得られます。ぜひ、あなたもどうぞ!

もうひとつの効果は、メールやSNSの返事を丁寧に書くようになったことです。今まで私は「メール3行主義」を徹底していました。メールの返事は短ければ短いほど良いということで、できるだけ3行以内で書こうとしていました。一番短いのは「OKです」や「進めてください」というものです。そのため、一部の人からは「向後先生怒ってますか?」というようなことを聞かれたこともありました。いや、怒ってません。ただメールの返事が短いだけなのです。

でも、メールの時間をわざわざ1日3回作ることによって、もう少し丁寧に対応するようになりました。あくまでも自分の認識ではありますけれど、3行の返事が5行くらいに増えた感はあるのです。

副作用として、ニュースも見なくなりました。元々テレビをほとんど見ない私ですけど、12時とか19時にはニュースを見ることが多かったのです。これも見なくなりました。短期的なニュースで一喜一憂するのをやめると、長期的な視点で物事を考えられるようになります。これも変わった点です。

ということで、メールとSNSへの接触を制限する方法は試してみる価値があります。