KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

悲しみの科研費審査結果通知

——おや、文部省研究助成課から親展の手紙が来ているな。

科学研究費(科研費)の審査結果が届いたんだ。

——科研費といえば、今年も君は落選したんだったね。連続落選の記録を更新しているね。何年目だっけ?

もう、数えるのも嫌だから、忘れるようにしている。とにかく、最後に科研費が採択されたのは早稲田の助手のときのことだった。以来、連続して落選しているというわけだ。言わせるなよ、こんなこと。研究者として威張れることじゃないんだからさ。

——君はひいき目に見れば、そこそこ研究している方だし、査読論文もぼちぼち出しているのに、なぜなんだろうね。もっとも、論文の方は君のゼミ生が第一著者になることが多いが。

ゼミ生に論文を出させるように指導するのは、大学教員の大切な仕事なのだ。

——そうか。でもたまには自分でも書くようにね。

へえへえ。科研費の話だが、あまりにも落ち続けるので、「申請書の書き方について、何か根本的な誤りをしてるのかなあ」と長年悩んでいたんだが、今年から審査結果が通知されることになった。

——それがさっきの親展の手紙か。で、内容は?

こんな具合だ:

 上記の申請課題は、審査の結果、採択されませんでした。
 採択された課題を含めた全申請課題のうち、あなたの申請された細目(又は分科)での研究課題の第一段審査評点のおよその順位は以下の通りでした。基盤研究等は二段審査制をとっていることから、第一段審査の評点が良くても採択にならない場合がありますので、ご承知おきください。(中略)

○A(採択課題に準ずる程度)
×B(中位程度以内の課題で「A以外」)
×C(中位程度未満の課題)

——Aか。惜しかったね。まあ、いいじゃないか。大ハズレじゃないことがわかったんだから。

うん。引き続き申請してみようかなという気持ちにはなった。申請書を書くのはけっこう手間だからね。しかし、こう書かれると、第二段の審査ではどう基準で審査しているのか知りたくなる。ま、いいけど。それよりも、三回「Aで落選」したら、次は採択されるという制度があるといいんだけどなあ。

——福引きの補助券じゃないんだからさ。