KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

NHK「映像の世紀」を観て

 連夜、NHKが放映している「映像の世紀」をここ数日間続けて観ている。おもしろい。ほとんどがモノクロの画像だが、事実を映した画像だけが持つ迫力に満ちている。まれにカラー画像が出てくると、いままで見ていたのがモノクロだったと初めて気が付くくらいだ。それくらい画面に集中してしまう。

 今日の回は、アジア諸国が植民地支配から独立への険しい道のりをたどったもの。歴史音痴の私は、これを見て、なぜいまだにインドとパキスタンは小競り合いをしているのかを理解する。また、スカルノ大統領というのはどういう人だったのかを知る。もちろんデヴィ夫人は画面には出てこない。しかし、過去の歴史や人物が、現在とどういうつながりを持っているかを知ることで、興味が高まる。

 この番組を見て、20世紀はやはり、戦争の世紀だったのだなあと思う。そして、男性の世紀でもあったのではないか。力と暴力と不寛容が支配していた世紀ではなかったか。画面上には、重要人物としてはほとんど女性が登場しない、という事実。21世紀はおそらく女性の世紀になるのではないだろうかと空想する。

 もし私が社会科の教員だったなら、きっとこの番組を教材にするだろう。私は、高校までの時代、歴史という科目が嫌いだった。しかし、中公文庫だったか『世界の歴史』という文庫で、歴史を物語として語っていたものは面白く読んだ記憶がある。教科書とこの文庫本やこのテレビ番組との間にある溝はなんなのかを考える必要がある。

 自分の高校時代にもしこの番組を見たならばどうだったろうか。面白がるかもしれないし、そうでもないかもしれない。歴史というのは、若いうちはあまり意味がわからない一方で、歳をとればとるほど面白く思ってくるようなものなのかもしれない。