KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

大学生の大学への不満

 学生生活実態調査の報告書が配布された。学部・学年ごとの30%の学生を無作為抽出した調査で、回収率は全体で37%、703人分となっている。アルバイトの実態や、ワープロ・パソコンの所有率が50%程度であることなど、数字データも興味深いが、巻末にまとめられた自由記述による「大学への希望・要望」を細かく読んでみると面白い。

 富山大学は、人文、教育、経済、理、工の5学部からなっているが、学部を問わず共通して出てくる要望がある。

 まず、施設・設備については、クーラーをつけてほしいということ。経済学部、人文学部では最近校舎が新築されたので、全館冷房完備なのかと思っていたらそうでもないらしいことがわかった。

  • 夏場は教室の中がすごく暑いので、クーラーをつけてほしい(経済)
  • 演習室にもエアコンついてほしかったなあと思うことしきりです(人文)

 という要望が目立つ。私のいる教育学部は古い校舎なのでもちろんエアコンはついていない。研究室にはつけているが、電源が小さいために夏場はよくブレーカーが落ちて、パソコンが被害を受けることもある。

 あとは、情報処理センターが土日に閉まっていることへの不満が大きい。

 つぎに、授業・教員・成績については、授業への不満がやはり多い。典型的なものを抜き書きしてみると:

  • もっと生徒に答えさせて(意見を言う場を作って)ほしい。自分で勝手に教科書の内容を突き進むだけなら、その教科書を一人でじっくり読む方が100倍理解しやすい。(人文)
  • 教科書とかが高すぎる。しかも全然使わないものがある。(教育)
  • 経済の授業は単位を落とさせるための授業なんですか? 授業に一生懸命出席して勉強してもだめでした。授業もわかりずらいし、落とす授業じゃなくて、がんばってとれる授業にしてほしい。あんなんじゃみんな留年する。(経済)
  • 教授(先生)はマイクを使うようにしてほしい。聞き取りにくくて困る。(理)
  • 講義の内容がわけわからん先生がいるので何とかしてください。(工)
  • 難しいことを並べていれば大学の授業だと思っている先生を何とかしてください。(工)

 ここに抜粋したものは不満のごく一部。授業についての不満をまとめて抜き刷りにして、教員全員に配布したらいいのではないだろうか。

 最後に、事務部門についてだが、学生の大学への窓口である学務(あるいは教務)係の対応への不満が大きい。

  • 学務は最悪。無愛想、不親切。新しい、親切な人にしてほしい(人文)
  • 学務係の対応が悪すぎる。何とかしてほしい。サービス業のつもりで仕事を行うように。学生に対しどのように接するかも仕事のうちで、学務係のみなさんの仕事に就いての能力が問われるところである。(教育)
  • 経済学部の教務・学生係の態度が悪すぎる。とてもじゃないが、学生の立場にたってやっているとは思えない。給料をもらっているんだったら、もっとしっかりやってほしい。用事がない限り、あそこには絶対行きたくないです。これは僕個人ではなく、経済学部全体の意見です。(経済)
  • 学務係の方の態度が偉そうに感じ、用があって言っても用件を言うのに気を使う。(理)
  • 工学部学務係の態度悪すぎ!!


 学務係への不満は各学部まんべんなくある。これはどうにかしなくてはならないのではないか。私学ではこういうことはあまり聞かないので、国立大学特有の問題だろう。学務係だけでなく、図書館や保健管理センターなどの職員の学生に接する態度が悪いという苦情も多い。

 教員と事務員は仲良くやっている場合が多いので(あるいは我関せずで)、こういうことはあからさまに問題にはならない。以前、私を学生に間違えた事務員が、いかにも見下した態度でものをいってきたという体験があるので、学生が事務方にどう扱われているかは想像がつく。ここまでたくさんの不満が報告書で出てきたからには、問題にしないわけにはいかないだろう。