KogoLab Research & Review

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プリブル・チャールズ、坂本正裕『現代プレゼンテーション正攻法』

現代プレゼンテーション正攻法

現代プレゼンテーション正攻法

プリブル・チャールズ、坂本正裕『現代プレゼンテーション正攻法』ナカニシヤ出版、2004、1400円

ちまたにあふれるプレゼンテーション関連の本の多くが、ビジュアル技術や表面的なノウハウの習得を推奨しており、基礎的な理論を軽視しがちであったことである。……パワーポイントの性能に頼り切ると、プレゼンの内容そのものの焦点がぼやけてしまうのである。

「正攻法」と冠するだけのことはある、正統派のプレゼンテーション技術の本が登場した。

弁論術(レトリック)の歴史から入り、プレゼンの構成法、発表方法(スピーチ技術)、そしてスライドなどビジュアルの使い方は禁欲的に解説し、聴衆とのやりとり、評価へと説明している。

まさに正統派。プレゼンの勉強をしたいというすべての人は、パワーポイントの使い方の本を読む前に、この本を読むのがいいだろう。それでちょうどバランスが取れるのではないだろうか。

また、プレゼンの構成法では、「序論・本論・結論」といった実用文構成技法の基本的な点が具体例とともにおさえられている。この章だけ取り出せば、相手に情報を伝えたり、説明したり、説得するための文章をどのように書くのがよいかということも良く理解できるだろう。作文の教材としても使うことができる。