KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

フーバー、ホルフォード『初めてのアドラー心理学』

初めてのアドラー心理学

初めてのアドラー心理学

  • 作者: アンフーパー,ジェレミーホルフォード,キャスリンハイアット,Anne Hooper,Kathryn Hyatt,Jeremy Holford,鈴木義也
  • 出版社/メーカー: 一光社
  • 発売日: 2005/03
  • メディア: 単行本
  • クリック: 3回
  • この商品を含むブログ (5件) を見る

マンガ挿絵で、いろいろなことを教えてくれるFor Beginnersシリーズで1998年に出版されたものの邦訳です。マンガのアドラー先生は、ちょっとにこにこしていて親しみやすく描かれています。伝えられる写真ではいつも難しい顔をしていますが、この表情の方が私は好きです。

『初めてのアドラー心理学』というタイトルが示すとおり、アドラー心理学の入門書ですが、それ以上の特徴は、アドラーの生育歴から死ぬまでの道のりを示し、どの時期にどの理論が着想されたのかということがよくわかることです。1937年にアドラーは亡くなりますが、彼のアイデアがその後どのような心理学に影響を与えたのか、また与え続けているのかまできちんと書かれています。

ある時、カフェ・シラーでの論議の最中にアドラーは、弟子たちに次のように語ったのだった。

「わが子どもたちよ、個人心理学を学んでおきなさい。なぜなら、今から50年後、ほとんどの医者や教師、教育者、人々と関わるものは誰であれ、共通感覚の精神医学の知識なくして実践を行うことはできなくなるのだから」