- 作者: ピーター・M.センゲ,Peter M. Senge,守部信之
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 1995/06
- メディア: 単行本
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この本は経営学の範疇にはいるのか。心理学でもあり、教育工学でもある。最先端では融合しているということかもしれない。たとえば、「システム思考」における因果循環モデルは家族療法のそれと同型だ。「メンタルモデル」は心理学用語をそのまま使っている。学問領域がどのような名前であれ、そこで取られるパラダイムは次のようなものに移ってきていることを感じる:全体論(「システム思考」)、目的論(「自己マスタリー」)、認知論(「メンタルモデル」)、対人関係論(「チーム学習」)。「共有ビジョン」は何だろう。もしアドラーなら、共同体感覚というんじゃないかな。
- ラーニング・オーガニゼーション(学習組織)をイノベーションに変える5つの構成技術
- 1 システム思考
- 全体を見ること:静止的な断片ではなく、変化のパターンを捉えること
- 自分の仕事を自分の職域の管理ではなく、全体システムとどのような相互関係にあるかを認識すること
- システム思考におけるフィードバックとは、原因でもあり結果でもある
- 2 自己マスタリー(英語ではpersonal masteryなので、個別マスタリーの方が適訳かも)
- 高い習熟
- 人生をかけた学習に取り組む
- 望んでいるビジョンと現状の見取り図があれば、その間にクリエイティブ・テンションという創造的な緊張関係が生まれる
- ビジョンが何かが問題ではなく、ビジョンで何ができるかが問題だ
- 3 メンタルモデルの克服
- 4 共有ビジョンの構築
- 共有ビジョンの例
- IBMの「サービス」
- フォードの「大衆向け公共輸送手段」
- アップルの「コンピューティングパワーを大衆に」
- 共有ビジョンは学習のための集中力やエネルギーをもたらす
- 時分のビジョンを念頭に置いて日々の問題を解決する:ビジョンのあるリーダー
- 共有ビジョンの例
- 5 チーム学習
- チームが学ぶという現象
- チームが学ばなければ組織は学べない
- 二つの対話方法:意見交換とディスカッション
- 意見交換:お互いの意見を十分聞き、自分の考えを呈示する
- ディスカッション:下すべき決定をサポートする考えはどれが最善かを探求する
- チーム学習はまだ理解されていない
- チームが学習するときに何が起こり、個人学習と対比づけて初めて、集団が思考力を持つことが理解できる
- 意見交換の基本条件
- 参加者はみな自分の仮説を呈示する
- 参加者はみなお互いを仲間と見なす
- 意見交換の状況を把握する進行役が1人いること
- 設計とは統合技術だ
- 設計とは実際に使えるものを作ることだから