デビッド・アレン『ストレスフリーの仕事術』

ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則

やりかけの仕事をすべて把握することができてはじめて、人生の平穏が完全なものになる。あなたに必要なのは「完全に終わっていない仕事」を完全に把握することなのだ。

ToDoリストを書いたり消したりしてみても、心の平和は訪れない。そうではなく、自分がなすべきことを整理して、それを完全に把握することで、安心して目の前にある仕事に集中できる、と主張します。具体的には次の５つのステップにしたがって行います。この中で特に重要なのが、「レビューする」というステップで、毎日、毎週、毎月の頻度で、手持ちのリストを見直しすることが大切です。

GTDの５つのステップ

• 1.　収集する
  • 注意をひくものすべてをinboxに入れる
  • inboxを定期的にレビューして常に空にしよう
• 2.　処理する
  • inboxから１つ取り出す
  • それについて行動を起こすかどうかを決める
  • 起こさないものは、捨ててしまう、資料として保存する、「いつかやる」リストに転記する、のどれかにする
  • 行動を起こすものは、「次に取るべき具体的な行動」を決める
  • それが決まったら、すぐ自分でやるか、人に任せるか、あとでやるかを決める。
  • 簡単に決まらなければ、「プロジェクト」リストに転記する
• 3.　整理する
  • ４つのカテゴリーに分ける
    • プロジェクト（複数のアクションが必要なもの）
    • カレンダー（特定の日時にやるもの）
    • 次に取るべき行動（空き時間に片付けるもの）
    • 連絡待ち（他の人に任せたもの）
• 4.　レビューする
  • カレンダーと「次に取るべき行動」リストを毎日見直す
  • 週次レビューを行う
  • 長期的な目標・計画、自分の価値観を数ヶ月に一度レビューする
• 5.　実行する
  • 「次に取るべき行動」リストを自分の状況を考慮して実行に移す
  • リマインダーを設定することで自分の意思決定に自信が持てるようにする
  • 自分がなぜそれをやっているのかを常に意識することによって、正しい選択を心がける

そして、著者はこんなことを言っています。確かに、こういう技能を多くの人が習得すれば、社会全体がもっと良くなる気がします。心の平穏を持って、仕事に取り組める人が増えるでしょう。

私たちの目標は、GTDの手法がいつの日にか国の教育制度に組み込まれることだ。その日を目指して、私たちは日々、努力している。たぶん、その頃にはこれがたいていの人にとって当たり前の作業手順になっていて、みんながもっと価値のある大きな問題や機会に取り組んでいることだろう。