KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

アドラー心理学研究会@本キャンで「共同体感覚」研究

アドラー心理学研究会@本キャンに参加してきました。今回は、アドラー心理学の中心的概念である「共同体感覚」がテーマでした。私を含めて11人が参加。

丸尾・中島(2009)の論文を糸口にして、共同体感覚の定義から始まって、尺度作りの研究史、日本での尺度化を概観してから議論に入りました。私のゼミ生の一人がまさにこのテーマで卒論を書いているところなので、浮いた話ではなく、先行研究と実証的知見にしっかりと足をつけての議論になりました。

特に、アメリカでは、共同体感覚を測定するのに性格特性的な見方で項目を作ってきたのに対して、日本では野田先生の「私には能力がある。人々は仲間だ」というシンプルで的を射た定義から尺度作りが始まっている(高坂, 2011; 服部, 2012; 橋口, 印刷中)という対比ができます。

共同体感覚というアドラーが残してくれた概念は、今の時代に必要とされているものです。臨床場面でも、教育場面でも、また私たちのWell-beingにおいても、どうすれば幸せに生きることができるのかという根源的な問いかけに、解答を与える概念です。

来年の日本教育心理学会総会は法政大学で開催されます。そこで「共同体感覚」についての自主シンポジウムを企画しようと思います。できるだけ多くの人に来ていただけるとうれしいです。