KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

【ブログ】春光堂書店@甲府の読書会に参上/本には笑いが必要

2022年8月8日(月)

甲府の春光堂書店さんが毎月開いている読書会で、私の『幸せな劣等感』(小学館新書, 2017)を取り上げてくださるということで、現地参加してきました。対面とZoomのハイフレックス開催でした。対面参加は16人、Zoom参加は12人で、普段よりも多くの参加者が集まりました。

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前半の1時間は、参加者全員から本を読んだ感想と質問を2分程度で語るという趣向でした。こんなふうに自分の本の感想を直に話してもらえるという機会はこれまでありませんでしたので、とても刺激的でした。そしてたくさんメモを取りました。ランダムにいくつかリストしてみます。

- アドラー心理学は科学というけど、科学と言えるのか? 宗教に近い部分がある?
- 人の目を気にして自信が持てない。自分を受け入れたい。
- 退職がまもなくの自分には居場所を見つけることが大事だと思った。
- アドラー心理学は自己責任で、厳しい心理学かも。
- アドラーがフロイト、ユングほど日本では知られなかったのはなぜか。
- 4年前に『嫌われる勇気』を読んだ。それがこの本で整理できた。
- ライフスタイルの4つの分類で自分はどれだろう。
- ライフスタイルは価値観のようなものなのか?
- ライフスタイルの4分類はわかりやすいけど、ステレオタイプになるかも。
- アドラー心理学が空気のように日常になるといい。
- 「アドラーで冒険を始めてください」というところが好き。
- アドラーの生の姿はどんなだったのだろうか。
- 科学というのはどういう意味なのか。心理学は科学じゃないと思っている。
- 職場では自分でできる部分と周りに屈しざるを得ない部分がある。
- 相手のライフスタイルを考えながら日々過ごすべきなのか?

このように本の感想・コメントや質問をいただいたあと、それについて私が30分でおしゃべりをしました。多岐にわたるコメントをもらったので、それを整理しながら回答していかなくてはなりませんでした。久しぶりに頭をフル回転させました。参加者の一人からは「大学のゼミのような学びの場」という感想をTwitterでいただきました。確かにそうだったかもしれません。

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さて、本のいろいろな感想をもらった中で私が一番衝撃を受けたのは、「この本には ”笑い” が必要」という発言でした。確かに、この本は自分にとってのアドラー心理学の集大成という意気込みで書いたものですので、少し肩に力が入っていたかもしれません。また、大学レベルでのテキストとしても読んでほしいという希望もありました。ですので、「笑いが必要」という視点は私にとって新鮮でした。

そうですよね。本には少しでも笑いやユーモアが必要です。読者としてそう思います。ちなみにこの発言をした方は、この読書会での私の話が笑いにあふれているので、その対比としてこの本の生真面目さを不思議に思ったということです。なるほど、話をするときの私は本当に楽しそう(実際自分自身も楽しい)ということですから、それが本の文章にも反映されるといいですね。ですので、次に書く本には、少しでも笑いを入れて書きたいと思います。これが今回の最大の収穫でした。