KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

ID研究会:ノーマン『複雑さとともに暮らす』

10月のID研究会を開きました。今回は早稲田キャンパスで開きました。月1回早稲田キャンパスに出てくる用事ができましたので、それに引っかけて開催するようにしました。次回は、11月16日(金)の夜です。

参加は、私も含めて9人。今回は、ドナルド・ノーマン先生の『複雑さとともに暮らす』を材料に議論しました。

話題は「体験全体のデザイン」。個々の道具やシステムを単独でデザインするのではなくて、それを使う人の一連の体験全体としてデザインするという視点。たとえば、友人と楽しく夜を過ごすにはどうすれば良いか。電車に乗りたくなるようなプロデュースの仕方。

それから派生して、コミュニケーションやインタラクションのデザインにも話が広がりました。たとえばコピー機の近くに背の高いテーブルを置いて、立ち話ができるように誘導する。

こうした実世界では、人々の動きを場所や時間にアンカリングできるので、デザインが可能ですが、オンラインコミュニケーションの世界では、場所も時間も自由すぎるために、逆にデザインしにくいところがあります。たとえば、SNSに来たらジクソーパズル的な協力ゲームができる(SNSのゲームアプリはこうして滞在時間を延ばすことを狙っている)とか、訪問するだけで自分のポイントが貯まる(電器店のサービス)ようなナッジを埋め込むなどの工夫。でもブレイクスルーはまだまだ。

複雑さと共に暮らす―デザインの挑戦

複雑さと共に暮らす―デザインの挑戦