KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

1997-01-01から1年間の記事一覧

1997年を振り返って

1997年も残すところあと一週間をきった。この年を振り返って書いてみたい。今年もあらかじめの年賀状は出さない。一月には子どもも生まれているはずなので、その知らせで年始のあいさつを兼ねるつもりだ。それで、インターネットが使える人には、この文章を…

ゼミ雑誌

ゼミ雑誌というのを考えた。年度末に一冊発行するのである。内容はゼミメンバーの個人個人の好きなものを載せる。幸い、うちのゼミはホームページの内容が充実しているので、そこから自分のお気に入りの文章を編集すれば、おもしろいものができるだろう。 作…

面接のポイント

とうとう今年から情報教育コースの推薦入試で、面接をすることになって、先日実施された。今までは論述試験と書類審査だけであったのが、それに加えて面接試問がはいったわけだ。 私は以前から面接でわかることは多くないし、外見によるバイアスがかかるだけ…

一年前ボタン

「しごとにっき」はずいぶん続いている。私は日記をつけることはそれほど苦ではない。それが証拠にB5版のフィラーノート(コクヨ製)に大学生時代から書き続けた12年分の日記がちゃんと残っている。それ以降も、手帳につけたり、無印良品のノートに日記をつ…

20年後の同窓会

中学・高校の卒業20周年の学年同窓会に出てきました。別のところに書いた印象をここに複写しておきます。 ■ しかし、20年後の同窓会。まさにタイムマシンでした。顔は20年前の悪ガキ(男子校でした)そのままで、背広にネクタイして、「日本経済は・・・」な…

卒論の自律化

今年の卒論はとうとうこんな時期までずれこんでしまった。しかも、私は風邪をひき、確実に一週間はスケジュールを遅らせた。この時期の一週間は命取りだ。12月になれば、すぐに授業は終わり、したがって実験のための被験者を集めることもできなくなる。 まあ…

テニスが楽しい

最近テニスが楽しい。忙しくて運動をする暇なんてなくって、とは、言うのも、納得するのも簡単だが、真実はそうではない。テニスをやることを決心すれば、時間なんていくらでもひねりだすことができるのだ。本当に。 週一回のペースでも、それが継続するとテ…

お得なテーマはない

ということで、三年生に、もうすぐにでも自分の卒論テーマを決めるように言った。今、自分が手がけているテーマの持ち札を全部紹介して、どれか興味のあるものを選ぶように勧める。しかし、実際、全部持ち札を見せられて、さあどれにする、と聞かれてもなか…

卒論が遅くなっているのはなぜか

ここ数年で卒論を仕上げていくスケジュールが確実に遅くなっている。客観的に見れば、これ以上遅れれば卒論は書けない、というほとんどぎりぎりのスケジュールである。以前は、夏休み前に実験は終わらせていた。今は、11月にはいってもまだ実験ができないと…

自分を遠くから眺める

週に一、二回は自分の研究室から出て、散歩することにしている。運動不足にならないようにすることが第一の目的だが、それ以外にも効用があることがわかった。 散歩のルートは呉羽山に登ることだ。呉羽に登ると町の広がりを目にすることができる。その町の中…

妻に引かれて小田参り

オーバードホールでの小田和正のコンサートにいってきた。妻が昔からの小田ファンなので、富山にコンサートが来るたびにつき合うのである。前回は二年前であった。 観客は九割が女性。おばさんが多い。若い女の子はたいてい彼氏を連れてきていて、その彼氏は…

福井大学での集中講義

福井大学で集中講義をしてきた。一年おきに梅沢先生から依頼されているものである。科目名は「人間情報科学」という名前であるが、今回は社会心理学系の実験をして、データ処理をしたり、報告書を書いたり、プレゼンテーションをしたりという実習中心でおこ…

ゼミ再考

研究室、あるいはゼミというものについてもう一度考えてみた(前回はNo.31)。ここで言いたいのは、ゼミとは、たとえばクラス分けのように第三者的に決められるものでもなく、あるいは丁稚奉公のように自分の身を捧げるものでもない、ということである。では…

夢大学

はじめて夢大学で講座を開いた。夢大学とは、中学生と高校生を対象にして一日か二日の講座を受講して、大学を体験入学してもらおうという企画だ(並行して社会人を対象にしたものもある)。大学の紹介と、入学者集めの両方の性格を持っている。一週間前には…

教育工学関連学協会連合大会

教育工学関連学協会連合大会に出てきた。長い名前だが、三年に一度、教育工学会などの学会・協会が合同で年次大会をするものだ。電通大で三日間の日程であったが、毎日朝から通って、我ながらよく勉強させてもらった。惜しむらくは、テッド・ネルソンの講演…

なぜ推薦制度を廃止すべきか?

毎年、一人か二人の学生が、私のいる情報教育コースをやめていく。このコースは一学年20人であるからけっして無視していい割合ではない。とはいえ、めくじらをたてるほどのことでもない。一年か半年やってみて、このコースが自分に合わないと思ったらさっさ…

TCシンポジウム97

今年もテクニカルコミュニケーター協会主催のテクニカルミュニケーション(TC)シンポジウムが工学院大学で開かれた。二日間にわたって分科会や研究発表が行われた。 分科会「メディアに適した表現とは?」 私は分科会の話題提供として、「教育工学から見た電…

大学のゼミの使い方

大学の研究室とは何だったのだろうか、と自分の大学生・院生時代を思い返して考えてみる。 自分は指導教授にとってあまりいい学生ではなかっただろうと思う。ゼミにはきちんと参加していたものの、教授の手伝いを進んでやる学生ではなかった。もちろん頼まれ…

意志の上にも三年

もちろん正しくは「石の上にも三年」である。「いしのうえにも」で漢字変換したら、これがでてきた。なかなかいいフレーズなので採用する。 テーマは私の「移り気」である。これは筋金入りである。何かの仕事に手を付けたと思ったらすぐにそれをほっぽらかし…

校正の大切さ

教育工学会誌のショートレター論文の校正刷りが来た。二校で、これが最終になる。感心したのは、前回の校正で指摘されていなかった、こちら側のタイプミスを発見してくれていたことである。フロッピーによる入稿なので、このミスはこちら側が原稿を作った時…

文章の長さ

パソコン上のエディターで文章を書いていると、文章の長さの感覚が薄れる。リターンキーを押せば、いくらでも原稿用紙が長くなっていく。終わりがない。ここで終わりと宣言したところが終わりである。巻物の上で文章を書いているようなものである。 問題は、…

アイデアを文章にすること

ギタリストで作曲家の高中正義がこんなことを言っている。「ミキシングやアレンジって絶対的な正解がない」(週刊文春、97.7.31)だから煮詰まると夜明けまでやってしまう、と。いい曲ができると自分は天才だと思うのだが、とも言っている。 これは作曲だけ…

研究と教育とはまったく違う

後期の授業に向けて教材づくりを始めた。科目は、統計学と認知科学である。作りはじめてみて、重大なことに気がついた。 研究教育と一言で言うが、研究と教育とはまったく違う別のことがらである。 このことに気がついたのは、この前まで研究者モードで学会…

言語表現授業への反応

前期の授業「言語表現」の最終課題は「書くことについて」であった。「UFO」や「捕鯨」や「常識に反すること」などといったテーマを押しつけられた受講生(しかし彼らは一方で自由テーマをひどく嫌っていたりする)は、このテーマを得るに至って、これまで鬱…

プログラムを書くことと文章を書くこと

文章を書くということは不思議な行為だ。常に曖昧なものを含んでいるし、自分が伝えたかったことが、読み手に正しく伝えられているかどうかを判定する方法もない。そもそも自分が伝えたかったことが、正しい文章に表現されているかどうかを確認するすべもな…

対話と独白

ホームページに日記やら個人ニュースを書いているが、これはいわば独白、あるいはひとりごとである。もちろん読者はある程度想定してはいるが、第一の読者は自分自身である。その意味で独白なのである。一方、会議室では、対話である。ニフティサーブのフォ…

SCSによる研究会/教育工学の理論と実践

教育工学会の研究会に出た。大テーマは「教育実践研究の設計と評価を考える」であった。今回は通常の研究会とは形式が違い、SCS=スペース・コラボレーション・システム、つまり衛星放送で各地をつなぎ、テレビ電話の大型版で研究会を進めるというものだ。鳴…

補助金は良い方法か

先日、科研費の説明会に行って来た。その中で講師が言った言葉が耳に残っている。 「私どもはできるだけ多くの先生方にいい研究をしていただきたく援助をしたいのですが、なにぶん予算が決まっていますもので。」 もっともだ。しかも泣かせる話ではないか。…

北陸心理学会に出てみて〜心理学を考え直す

先日金沢大学で開かれた北陸心理学会の大会に出た。数年前に会員になってから、ずっと不義理をしたまま大会には出たことがなかったので、今回が初めての出席である。今回も発表するものがなければ出るつもりはなかったのだが、コンピュータ利用のワークショ…

生き方はあるとき突然変わる

私はいわゆる夜型人間であった。それもつい一年前くらいまでそうだったのだから、37年間の夜型人間である。かなり筋金入りである。 中学・高校時代は、深夜放送にのめりこんでいて、よくパーソナリティにはがきを書いていた。もしかすると書く習慣はこのとき…