週末のひどい夏風邪のせいで鼻がきかなくなっている。こんなことは初めてだ。確かに鼻づまりと鼻水がひどかった。「嗅覚障害」で検索してみると、風邪で鼻の粘膜がやられると匂いがわからなくなることがあるようだ。
匂いのない世界はどのようなものか。
まず食事の味がわからなくなる。正確には舌は生きているのだから、味覚は生きているのである。しかし、味覚だけで味を感じているのではないことがよくわかる。確かに、甘い、からい、なめらか、ざらざらというのはわかるのだが、それだけでは「味わう」ことはできない。
鼻をつまんで食事をしてみるとそれがどんなものかをシミュレーションできる。実に味気ない。食べたという満足感はない。しかし、食べることも楽しくないので適当なところで食事を終える。おかげで体重は普段よりも1キロ減っている。
コーヒーを飲んでも、単なる苦いお湯である。冷茶を飲んでも、冷水とほぼ同じ。やけくそで普段は飲まないコーラを飲んでみたが、甘い炭酸水と同じであった。これなら水だけで暮らせそうだ。
お香をたいても無意味である。
しかし、おならをしても臭くないという利点もある。本人だけであるが。
鼻よ、早くなおってくれ。