KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

教授会で私の退職の件が出されたようです

2022年7月25(月)

 7月20日の教授会で私の退職の件が出されたようです。私はサバティカルのため会議には出ませんので、その後の資料で知りました。2年あまり先となる、2025年3月31日の退職案件が出されるというのはあまりないでしょうね。  

これは大学の制度では、選択定年制というものにあたります。60歳からこの制度を利用することができます。70歳よりも早く選択定年を選ぶと、退職金が割増になります。大学運営から考えると、早めに辞めてもらった方が人件費は浮きますので、このような制度になっています。  

私は20年弱、ここに在籍していますけれども、選択定年を選んだ教員は、知る限りでは2, 3人です。10年にひとりくらいの頻度でまれにいるのです。  教授会の議題に出たということで、学部の全教員が知ることになりました。このあと人間関係的な変化があるのか、ないのか、ちょっと楽しみです。

2年半ぶりの対面での研究発表会

2022年7月24(日)  

昨日は、早稲田キャンパス3号館の教室で、eスクール生と大学院生の研究発表会を開きました。対面での発表会は、2020年1月が最後でしたので、2年半ぶりの開催でした。  

開いてみて、「ああ、これこれ、この感じ!」というのがよみがえってきました。同じ会場の空気を共有する独特の感じを思い出しました。  

今回は、会場に来られない人のことを考えて、Zoom同時配信のハイフレックス方式を取りました。これもよかったです。Zoomによる外からの参加者は、平均で8人くらいでした。  

次は来年1月に発表会を開きます。ハイフレックス方式がスタンダードになりそうです。

 

【ブログ】看護シミュレーション教育とメンタルモデルの生成

2022年7月22日(金)

2022年7月9日(土)に福岡女学院看護大学を訪問しました。看護シミュレーション教育の様子を見せてもらうためです。病院内を再現した部屋にシミュレーション用の人形が何体もありました。人形とはいっても、さまざまな機能が内蔵されていて、値段は数百万から数千万円するものです。

https://ns.fukujo.ac.jp

この人形を使って、さまざまなシナリオの想定の中で、自分がどのように患者を観察し、対話し、状況を判断して、とるべき行動を決めていくかということを実習します。

その実習の様子を見せてもらって、私の頭の中には「メンタルモデル」という認知心理学の古典的な用語が浮かんできました。メンタルモデルとは次のようなものです。

> 頭の中にある「ああなったらこうなる」といった「行動のイメージ」を表現したもの

https://ja.wikipedia.org/wiki/メンタルモデル

シミュレーション教育の最終的なゴールは、適切なメンタルモデルの生成と身体的運動スキルの獲得です。そのためには、リアリティのある人形シミュレーションによる訓練は効果的です。しかし、適切なメンタルモデルを生成するための議論と検討を実習の中に組み込むことが必要です。それがシミュレーション教育のもうひとつのキモであり、この大学の教育ではこのことが重視され、授業プロセスに組み込まれていました。

この領域の研究は、インストラクショナルデザインの中で、メリルの第一原理、コルブの経験学習モデル、ロールプレイ、バーチャルリアリティによる訓練、などにつながるものです。古くはシャンクのゴール・ベース・シナリオもあります。

ポイントは、失敗のできない緊張の中で学ぶべきものを、失敗してもよい安全な環境の中で学ぶという点にあるような気がしています。その意味で私の「レッスン/ゲームモデル」にも通じるものがあると感じています。このモデルは、なぜ真剣なゲームでは練習のレッスンのように打てないかという問題意識から出発しています。